クラウド型グループウェアが選ばれる理由は?――ノークリサーチ調査

社員が毎日のように使うグループウェアは「慣れ」が重視されシステム移行が鈍い。だが年商5億円未満の企業ではクラウド型サービスの導入が進んでいる。

» 2014年10月03日 14時31分 公開
[Business Media 誠]

 組織として業務を効率的に遂行するためにグループウェアを導入する企業は多い。ノークリサーチが全国の中堅・中小企業1300社を対象に実施した調査によれば、年商5億円未満の小規模企業ではクラウドサービスの利用が進み始めている。

グループウェアはシステム刷新が鈍い分野

 グループウェアは社員が日々利用するアプリケーションであり、システム導入に当たって利用者の「慣れ」が重要な指標となる。そのため同社では、「技術的な障壁はそれほど高くないにも関わらず、パッケージ製品からASP/SaaSへの移行は同一の製品/サービスを継続的に利用できる場合を除くとそれほど多くない」と分析している。

 年商別にみると、10億円以上20億円未満の中小企業層では「サイボウズOffice」、100億円以上300億円未満の中堅中位企業層では「Lotus Notes/Domino」が最も高いシェアを獲得している。

グループウエア 導入済みの製品/サービス(出典:ノークリサーチ)

 しかし、年商5億円未満の小規模企業層では新規導入が多く、利用者の「慣れ」という制限が少ない。そのため、「Google Apps」(20.5%)や「Office365/Microsoft Exchange Online」(10.3%)といったクラウド型グループウエアの導入も多くみられる。

グループウエア 導入済みの製品/サービス(年商5億円未満、出典:ノークリサーチ)

クラウド型グループウェアが支持される理由は?

 「Google Apps」や「Office365/Microsoft Exchange Online」といったクラウド型グループウェアが選ばれる理由として、「導入後の保守/サポート費用が安価」「メール関連機能を包含」「スマホやタブレットからも利用できる」といった点が評価されている。

 一方で、「導入時の初期費用が安価」という点では、パッケージ製品を含むその他の製品と同程度もしくは低い評価にとどまっている。同社では、「初期費用を低くしたとしてもシェア獲得には必ずしも直結しない可能性が高い」と結論付けている。

グループウエア 最も主要な製品/サービスに関して評価/満足している機能や特徴(出典:ノークリサーチ)

 日本全国/全業種の年商500億円未満の中堅中小企業から1300件の有効回答を得た。調査期間は2014年7月〜8月。

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