メンバーの才能を最大限に生かす、最強の“チーム”をつくる方法今日から自分プロデュース!(3/3 ページ)

» 2015年03月06日 09時00分 公開
[イデリア,Business Media 誠]
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自分と他者の才能を理解し、かけあわせる

 ヒューマンプロセスへの働きかけという観点で、「自分と他者の才能を理解し、かけあわせる」というのも、自分らしさが発揮できる強いチームを作るには必要な要素です。

 才能をかけあわせる、という言葉でピンとこない人は、ロールプレイングゲームでチームを組むときをイメージしてみると分かりやすいかもしれません。攻撃力が高い戦士タイプ、味方を回復できる僧侶タイプ、そのほかにも魔法使いや遊び人など、いろいろな長所と短所を持ったキャラクターがいると思います。偏ったタイプだけでチームを組んでも、苦戦するのは必至でしょう。メンバーの長所と短所を見極め、それにあった役割分担をしていく――これが「才能をかけあわせた」チームと言えるでしょう。

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 連載の第4回で、自分の弱点を克服する方法として「自分の弱点を補うメンバーを探す」という方法を紹介しましたが、これと似たアプローチでチームメンバー同士の才能を生かせる組み合わせを見つけ、実践していくのです。第3回で紹介した「自分の才能を使いこなすステップ」と同じく3つのステップに分け、自分と他者の強みを理解してかけあわせる方法を説明します。

 まずは、自分と他者の才能を「認知」することから始まります。つまり、自分にない他者の才能があることを知るのです。自分と他人が違うことは分かっていても、ついつい自分ができることを相手にも求めてしまうことはあるものです(僧侶タイプに攻撃力を求めるのは非効率ですよね)。自分の才能を客観的に自覚し、他者の才能を尊重する姿勢。これが才能のかけあわせの“土台”となります。

 次に、自分と他者の才能をお互いに「理解」します。そのためのツールとして「ストレングス・ファインダー」を使うのも有効です。自分の才能が分かっているならば、ストーリーテリングで、自分の上位5つの才能をテーマに話すとよいでしょう。ストーリーテリングとは、テーマからイメージできるものを話し手が物語のように語り、聞き手が傾聴して相手の価値観に触れるという手法です。

 話にゴールがあるわけではないので違和感を覚えるかもしれませんが、相手の才能を理解するよい機会になります。少し気恥ずかしいものですが、仕事をする上で何を大切にしているのかという価値観を語るのも有効です。ぜひ、試してみてください。

 そして最後に「才能のかけあわせ」を行います。お互いに理解した才能をうまく生かせる役割分担を考え、仕事にあたるのです。日常的な業務でも、成果を高める役割分担が意識的にできるようになるでしょう。ただし、役割を固定させすぎると、まだ顕在化していない才能を開発する機会を奪う可能性があるので注意が必要です。

Photo 自分とチームのメンバーの才能をかけあわせるまでの3つのステップ

これからは“共創”と“協働”の時代

 さて、ここまでチームプロデュース力を高める2つの観点を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。テクノロジーの進化やグローバル化によって社会が変わり、私たちの働き方は大きく変わりました。これからもその変化は続くでしょう。

 マーケティングの世界では、近年「価値共創」という言葉がよく使われるようになりました。これは生産者と消費者が協力して新たな価値を作り出していくという意味です。

 チームでの働き方も同じことが言えます。メンバーが“協働”して異なる価値観を生かし、成果を“共創”していく。もちろん、この方法が“自分らしく気持ちよく”働くことにもつながることは言うまでもありません。まずはチームメンバーのヒューマンプロセスと才能に意識を向け、それぞれが気持ちよく仕事のできるチーム作りをしていきましょう。

 さあ、今日もあなたの舞台がはじまります!

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著者プロフィール:伊藤利江子

伊藤利江子

 2007年、野村総合研究所入社。公共部門のコンサルティング部署に5年間所属し、企業の人材マネジメントに関する調査等、人材関連の調査業務に従事する。その中で、NPO支援をしていたイデリアに出会いコーチングに興味を持つ。2012年よりイデリア事業に参画し、エグゼクティブコーチングと組織変革のサポートを行っている。


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