「Twitterなら続けられる」を試験勉強に――tsuduketerのTetsuさん:ひとりで作るネットサービス(2/2 ページ)
「努力は裏切らないですよね、サッカーも開発も」――。小学校からサッカーを練習してきたというTetsuさんに、「Twitterなら続けられるから」という理由で開発したというtsuduketerについて聞いてみた。
資格の勉強を続けるために――tsuduketer
「ちょうど仕事で情報処理関係の資格を取ろうと思っていまして」。継続支援ツールである「tsuduketer」を作ったきっかけをTetsuさんはそう話す。
毎日どれだけ継続したかを目に見えるようにすれば続くのではないか……。最初そう考えたTetsuさんは「Don't Break The Chain」というWebサービスも使ってみたという。「しかしいつの間にか見なくなってしまいました。誰かに見られているわけでもないですしね」。そんなTetsuさんが注目したのがTwitterだった。「Twitterなら毎日使いますし、自分も友達も見るツール。そこにライフログとして継続していることをアウトプットできれば、と思いました」
Tetsuさんがまず取り組んだのは継続したことをカレンダーに並べてみることだった。tsuduketerでは「@tsuduketer やること コメント」でつぶやくことでデータを登録していく。もちろんつぶやかれた時間も記録されていくので、いつどんなことをやって、どういうコメントをつけたかをぱっとカレンダーに表示することができた。
「(使い始めてから)実際、試験勉強も続くようになりました。Twitterでのつぶやきは手軽ですし、カレンダーを見れば自分のがんばり具合が分かりますから」。またtsuduketerでは「バード」というアラート機能も付けた。「例えば10回続けられたとか、2週間続けられた、といった区切りのいいところでユーザーにメッセージを飛ばすようにしたのです」。
この「バード」機能はユーザーに好評だった。「これはいい!」「この機能があるから使ってみよう」といった声が寄せられた。誰にとっても、何かを継続していくためのモチベーションを維持するのは難しい。tsuduketerではこの「バード」というシンプルな仕組みを使うことで、使う人のモチベーションを高めることに成功している。
そうした細やかな工夫が功を奏し、Webマガジンに取り上げられたり、ソーシャルブックマークで大きな反響を得ることができた。これはTetsuさんにとって初めての経験だった。「今までは作った後にどうやってサービスを広めるかを考えていたのですが、いいものさえ作っていれば、ほかの人が勝手に広めてくれることが分かりました」
忙しいけど作ってる
「仕事は……そうですね、忙しいですね」というTetsuさんだが、ほかにも意欲的にサービスを開発している。昔から英語を覚えたいと思っていたので、Diggから人気英文記事のタイトルと概要を引っ張ってきて、それを和訳するだけの「Web Title Translation」というサービスも作ってみた。
「使っているのはほぼ自分だけですが」と苦笑するTetsuさんではあるが、ずっと使い続けている。Diggから引っ張ってきているので、そもそも内容が面白いのと、タイトルと概要だけでいいという手軽さがいいという。
「oboeter」なるサービスも作ってみた。『脳に悪い7つの習慣』という本を読んだことがきっかけだ。これはTwitterに英単語などの覚えたいことをつぶやくと、4日後にちゃんと覚えたかどうかを質問してくれるという仕組みになっている。4日後にしたのは同書に「4日おきに考えるといい」と書いてあったからだという。
ほかにも読書管理ツールやストップウォッチツールなどを作りつづけているTetsuさん。メモ帳にはまだまだつくりたいWebサービスのアイデアが詰まっているという。「小さいことを積み重ねていくことが大きなことにつながりますよね」。着実に、コツコツとWebサービスを作り続けていくTetsuさんのその言葉には、実践が伴っているだけにズシッとした実感がこもっていた。
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