図解メモのクラウド化計画(airpenPocket編):プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術
たまに昔のメモを見たいと思うことがありますが、書き込んだ手帳をすべて持ち歩くわけにもいきません。そこでメモをスマートフォンで持ち歩きたいと考え、いくつかの方法を試行錯誤中です。今回は「airpenPocket」を使ったメモのクラウド術を紹介します。
プレゼンの構想や会議、アイデアのメモを図解で記録している筆者ですが、たまにかなり昔書いたメモを見たいと思うことがあります。しかし、描き込んだ手帳をすべて持ち歩くわけにもいかず、手描きの図解メモをスマートフォンで持ち歩きたいと考え、いくつかの方法を試行錯誤中です。前回はキングジムの「SHOT NOTE(ショットノート)」を使った方法を紹介しました。
今回は、ぺんてるの「airpenPocket」を使った方法を紹介します。airpenPocketは、ノートに専用ペンで文字や絵を書くと、そのペン先の動きをセンサーが感知して、書いたものをデジタルデータとして保存できるというものです。専用のペンと受信部のセンサーを使いますが、ノートは何でもOK。センサーにはクリップがついているので、ノートの上部に取り付けます。PCにつないで充電しておけば、センサー部分は結構長持ち。1日に5〜6回程度のメモでしたら充電も切れず、全く問題なく動作します。外に出て書くときも、このセンサーと専用ペンだけかばんに忍ばせておけばいいので、かさばらなくていいですね。
実際に描いてみると、ちょっとペンの軸が太いです。筆者の小さい手は、いくぶんペンに負けている感じ。ホールド感は個人差あるでしょうが。書き味は悪くなく、スムーズです。
今回、メーカーの担当者から「Bluetoothによる無線通信とiPhone、Android端末にそのままデータ送信できるようになって便利になった」と聞いていましたので、さっそくAndroid OS端末(GALAXY Tab)を用意し、airpenのアプリ「airpenNOTE for Android(エアペンノート フォー アンドロイド)」をダウンロードしてみました。
airpenNOTEの設定でBluetoothの対象デバイスをいったん認識させれば、ワイヤレスで書いているそばからデジタル化。従来はPCにメモを転送していた作業が、airpenとスマートフォン端末だけで完結するので、随分楽になった気がします。
文字認識機能がアプリ側についているので、手描きの文字をOCRで文字データにして、後から検索可能にもできます。ただし、認識精度は環境や書き手のくせによってずいぶん違うでしょうから、過度の期待は禁物です。私自身は使ってないですが、アンケートフォームなどに手描きで答えてもらった集計を自動化するというフォーム機能もあるようです。
EvernoteにairpenPocketで書いたメモをそのまま送ってみました。airpen用のディレクトリを作れば、自動的にそのディレクトリに保管されるので分かりやすいですね。
前回紹介した「ショットノート」と比べて感じたことを列記しておきましょう。
- 専用ペンの書き味については、個人差あり。実際に試して確認してみること。
- スキャナやカメラ撮影と違い、筆跡はクリアで読みやすい。
- メモやノートは一般的なものが使える分、幅が広がる。
使ってみたところ、こんな印象です。個人的には、セミナーのときに直筆を出席者に見せるために「書画カメラ」を使っているのですが、GALAXY TabをHDMIでモニタに出力し、airpenで書いたものをリアルタイムに見せることができれば、代替になるのではないかと感じたしだいです。
集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
目次
- 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
- 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
- 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
- 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
- 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
- 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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