非モテ男、元キャバ嬢のレクチャーを受ける【準備編】:面白ビジネスグッズでモテる?
誠編集部に所属するホリウチくん。もう30歳だというのになぜかあか抜けない。周囲の心配を集め、なんと彼をキャバクラに行かせようということになった。元キャバ嬢のレクチャーを受け、面白ビジネスグッズを使って、なるかキャバクラデビュー。
ここにひとりの30男がいる。その名もホリウチ――。
ホリウチは、誠編集部で働く編集記者だ。得意とするのは突撃系記事。モテたくてiPadを持って山手線を5周したり、キン肉マンに出てくる牛丼屋がどこなのか探してみたり、格安物件には幽霊が出るか確認しに行ったりと面白い記事を思い出したように出してくるデキるヤツなのだが、残念なことにファッションセンスに難がある。
服装はワイシャツと黒いスラックスを365日着まわしていて、冬でもワイシャツを腕まくりして着ている。たまの出張で着慣れないジャケットを羽織ってきたかと思えば、脱いだ新幹線の車中に忘れてくるという始末だ。趣味はゲーム。特に数々のオンラインゲームで「リーダー的な役割を果たしている」(自称)とのことだが、その実態は謎である。
同僚から見てもなかなかいい奴なのだが、イマイチ……いや、相当あか抜けない。フレンドリーな性格とかなりの高学歴(京大卒!)をもってしてもこれではモテない。このホリウチをなんとかモテるようにしてやろう、できたらBiz.IDの企画らしくビジネスグッズを使ってモテたら面白いよね、というのが今回のテーマ。ホリウチに新しい刺激を与えてみよう、じゃあまずはキャバクラにでも連れて行って綺麗な女性を引き合わせてみるか――ということになったのである。
「キャバクラは完全にアウェーです……」と自信なさげに話すホリウチくん。そりゃそうだ、君のホームグラウンドは秋葉原であることはすでに知っている。特にメイド喫茶の話をするときの目の輝きはすばらしいもんな。でも安心したまえ、アウェーの君に力強い味方が駆けつけてくれたのだ。
登場したのは、斉田直世さん。元キャバ嬢で今は作家であり、イラストレーターでもある。『イケメン≠モテメンの新常識』や『現役女子大生キャバ嬢が教えるちょいモテ男になる技術』など今のホリウチくんにない要素が満載の書籍を何冊も書いているのだ。
30男として物足りない、その理由は……
斉田さんがホリウチくんを見た第一印象は「思ったより若く見えますね。26歳ぐらいに見えた」。本当は「30歳」と聞いて「へえ!」とびっくりした様子。30男として物足りなく見えるホリウチくん、きっと何か置いてきたものがあるはずだという。
「え、あ、こんにちは、ホリウチです」と情けなく自己紹介するが、意外とこれはウケるらしい。「ドンと構えていないのは自信がないしるしですが、それも初々しさになるかもしれません。緊張している感じが悪い人には見えないですから」。キャバクラを熟知した慣れた人よりもかわいいかも――というわけだ。キャバ嬢のビジネスとしても「初めてだから指名してくれるかも。最初のキャバ嬢に義理を感じて、指名をもらえるかも」と好印象。
続いてのポイントは服装だ。今日も今日とて服装はワイシャツと黒いスラックス。だが、こちらも意外と高評価。「スーツ姿はポイントが稼げますよ。何をしているかよく分からない私服姿より話しやすいです。ホリウチさんは立ち姿がクネクネしていますが、お店ではすわり姿のほうがポイントになります。無理して足を組まないほうがいいでしょう」
確かにスーツ姿だが、ひとつ問題もあるのだ。なんと暑がりのホリウチくんはジャケットを持っていないのである(そもそも新幹線の中に置いてきた)。「これからの季節はまずいですね。夏だったらいいんですけど、ジャケットはあったほうがいいです」。キャバ嬢はとても薄着だ。そんなときに暑がりなホリウチくんはエアコンを強めてほしいと思うかもしれないが、薄着のキャバ嬢は冷え性の人も多い。寒がっているキャバ嬢にそっとジャケットをかけて上げる――そんな優しい演出にもジャケットが必須なのである。「ただし、清潔でくさくないジャケットに限りますよ」
そうそう清潔感もポイントだとか。白いシャツに黒い下着をコーディネートするホリウチくんだが、そのくらいのコーディネートは暗い店内では気にならない。むしろ、優しさアイテムのはずのジャケットの肩口にフケが乗っかっていたり、汗臭かったりするほうが問題だ。店内では柄や色よりも、においやフケのほうが重要なのである。
「キャバ嬢に接近してほしかったら、それなりに清潔であってほしいです。香水は不要ですけど、お風呂にはしっかり入って、デオドラントスプレーとかをしっかりつけてください。それから黒いジャケットはフケが目立ちますから、入店前に肩を払うとか、ミント系のタブレットを食べるとかしたほうがいいですね」
キャバ嬢との話を盛り上げるビジネスグッズ
斉田さんのほか、もうひとつ実は味方がある。それはキャバ嬢との話を盛り上げるビジネスグッズだ。今回はキングジムの協力で、ピットレックやポメラ、マメモ、ショットノートなどを持って行く。
まずは名刺を画像で管理できるピットレック。キャバ嬢はきっと名刺のやり取りが多いんじゃないかと思ってピックアップしたが、斉田さんいわく「普通のキャバクラだとお客さんはキャバ嬢に名刺を配りませんよ」とのこと。逆にキャバ嬢には名刺を配るノルマがあるから、もらった名刺をピットレックで撮影、保管したらいいじゃないか、というお話だった。「ピットレックをはじめて見たキャバ嬢は、なにこれとのぞきこむから密着度は高まるはず。だけど、そのときにほかの女の子の名刺が出ちゃだめですよ」
続いてはテキスト入力専用機のポメラ。「これはキャバ嬢へのプレゼントにはいいかもしれませんね」。携帯からブログを書いている人も多いというキャバ嬢だが、本格的なPCなどの機械には弱いという。その点テキストしか打てないポメラなら、分かりやすいのである。ただ1つ問題があるとすれば、携帯と連係する機能があるかどうかという点だ。こちらはポメラのDM20に備わっているQRコード生成機能を紹介したが「この機能を上手に説明してあげる必要がありますね」。ホリウチくんはしっかり予習しておく必要がありそうだ。
手書きメモを簡単にきれいにデジタル化できるショットノートはちょっと微妙。「これならガラケーで撮影しても同じように撮れますよね?」とツッコミが入った。「いやいや、これはですね、四隅のマークにあわせれば横からとってもまっすぐ撮影できるのが特徴なんです。横からとっても君のことはまっすぐ撮れるよ。なんちゃって……」。ホリウチくん、斉田さんがあきれてるよ。
意外とウケたのはマメモとブギーボード。マメモは「筆談ホステスさんには面白がってもらえそうですね」。ブギーボードも「これすばらしい! 子供に遊ばせたい!!」と母親らしい反応だ(というかキャバ嬢の反応じゃないな……)。「実はキャバ嬢って、インドア派が多いんです。絵が好きな人もいると思う。そういう子はすごく喜ぶと思います」。斉田さんも現役時代は「イラストが得意なんです」と言っていたようで「当時は名刺にイラストを書いていたんです。そういうときにマメモやブギーボードがあるといいかもしれませんね」。
というわけで、斉田さんのレクチャーを受け、話が盛り上がりそうなビジネスグッズもだいたい分かった。次回は早速現場のキャバクラに乗り込むホリウチくんである。
「最初の1分が勝負時です。相手の目を見て、笑顔で自分から話しかける。視線を合わせなかったり、笑顔がなかったり、自分から話しかけないと、キャバ嬢も『私を指名するつもりはないんだな』と思ってそっけなくなりますからね。がんばってください!」
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