新技術を説明する――素材→加工→用途のフローに分ける考え方:説明書を書く悩み解決相談室(2/2 ページ)
前回に続いて、誰かにちょっとした複雑なことを説明するための文書のうまい書き方を紹介。今回は文章を幾つかの部品に分けて考えてみます。
板東 こんなもんで……どうだ!
開米 おおっ……完ぺきです!
板東 本当ですか!
開米 本当です本当です。ところで「ユーザーメリット」を分離した理由って何ですか?
板東 エンドユーザーが体感できるメリットと、単なる内部の技術的な変化は分けておいた方がいいかなと思いまして。
開米 そうですね、確かにそのほうがいいと思います。あと、(X)と(Y)は? 空欄ですが。
板東 ここは情報が無かったので、あとで書き足しておこうと思いまして。
開米 確かに。原文には情報記述が無かったですからね。
板東 これでいけそうです。ありがとうございました!
開米 こちらこそありがとうございました!
というわけで板東さんのお悩みも無事解決、私もほっと一安心してうまいラーメンでも食べに行こうかというところですが、まあそれはおいといて(笑)。
今回のように「素材→加工→用途」というフローで考えられる問題は実際のところ、よくあります。それは当たり前の話で、特定の用途に使うために素材を加工するという作業は世の中の多くの仕事の本質です。だからそれを説明する文書もそのパターンで書けるケースが多いんですね。
こういう「よくあるパターン」を知っていると説明書を書くのが楽になります。自分でパターンを見つけるのが難しいときは私のようなプロにご相談いただければ力になります。でもまずは自分で試してみてください。本気で考えれば意外にすぐ見つかるしれませんよ。
なお、板東さんからの質問にあった「専門家じゃないから分かることがある」という話は、当相談室の今回のテーマとは若干違う話題なので、ブログに書きました。どうぞ下記リンク先にてご覧ください。
→「専門家ではないからこそ、素人に通じる説明の方法が分かることがある」
また、板東さんのようなご相談も歓迎しております。「改善案のヒントがほしい」という例文があれば遠慮無く開米へお送りください。当記事についてのご意見ご感想ご質問等は「twitter:@kaimai_mizuhiro」宛でも受け付けております。中には記事では書ききれない情報もあります。物足りなく思った時はぜひ@kaimai_mizuhiro宛に質問を飛ばしてみてください。
今回のような連載での紹介は、許諾をいただいた場合のみ、必要に応じて内容を適宜編集したうえで行いますので心配ご無用です。
公開セミナーのお知らせ
著者・開米瑞浩氏が講師となって「アイデア・思考を見える化」をテーマとするセミナーを開催します。
- 日時:2011年11月16日(水)19時〜21時
- 会場:日本橋小網町(日刊工業新聞社)
- 概要:伝わるコミュニケーションのコツ 「論理力」×「図解力」(お申し込みもこちらから)
- 日時:2012年3月8日(木)10時〜17時
- 会場:名古屋(中部産業連盟)
- 概要:アイデア・思考を見える化させる 「読解力×図解力」スキルアップ研修(お申し込みもこちらから)
筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)
IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』、
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