『明日から「朝型人間」になる!』について
典型的な夜型人間だった著者。心機一転、朝型生活に挑んだ。試行錯誤のうえ見つけたのは、とっても簡単な早起きメソッド。その日を境に、毎朝6時起き。しかも半年で体重12キロ減、体脂肪率10%減という効果も! 風邪やインフルエンザにもかからず、いいことずくめ。本連載ではシンプルな早起きの方法を紹介するとともに、早起きがきっかけで舞い降りた数々の幸運の事例も紹介する。
この記事は2012年7月19日に発売されたソフトバンククリエイティブの『明日から「朝型人間」になる! リバウンドなし! 人生が好転する早起きメソッド』(美波紀子著、新書)から抜粋、再編集したものです。
私の知り合いに、Tさんという27歳の営業マンがいます。とても優秀な人で仕事は順調なのですが、彼には2つの悩みがありました。
1つは、女性との出会いがないこと。勤めているのは旅行代理店ですが、同僚の女性は既婚者かパートナーのいる人ばかりなのだそうです。
もう1つは、朝起きられないこと。かつての私のように、起床の1時間から携帯電話や目覚まし時計をジャンジャン鳴らして何とか起きますが、しょっちゅう遅刻しそうになり、朝から疲れてしまうそうです。
女性との出会いは私にはアドバイスできませんが、早起きのコツはたっぷり伝授しました。
1時間もアラームを鳴らすのはまったくの無駄で、体を傷めているようなもの。1回しか鳴らないと思えば、その緊張感が起こしてくれること。そして、朝の深呼吸もそうです。
しばらくすると、彼からメールが来ました。
「家に仕事を持ち帰るのをやめ、夜、さっさと寝るようにしたら自然に早起きできるようになりました」とありました。
そうなのです。早起きの決め手は、夜、さっさと寝ること。これに尽きるのです。私にも経験がありますが、夜型人間は夜に仕事がはかどるような気がするのです。しかし、それは人間の生理を考えると誤解なのです。
とにかく、悩みが1つでも解決してよかった、とホッとしました。
早起きで彼女ができた!
それからしばらくすると、今度は長文のメールがきました。「もう1つの悩みも解決しました(ハート)」という書き出しです。
早起きができるようにあた彼は、たまった仕事を片付けるため、定時の時刻よりも前に出社するようになりました。遅刻ギリギリに滑り込んでいた以前とは大違いです。ある日、1人きりの事務所で仕事をしていたら、髪が長く若くてきれいな女性が遠慮がちに入ってきました。
Tさんはびっくり。そこの誰かも分かりません。女性に話を聞いてみると、彼女は大学3年生で、今日から夏休み期間中、インターンとしてこちらでお世話になる、とのこと。「初日なので緊張して早めに出社したのですが、ちょっと早すぎたみたいです」と行って初々しく顔を赤らめたそうです。
今年からインターンを受け入れる、ということは聞いていましたが、昼間、営業活動で外にいることの多いTさんは、その日からインターンが来るとは知らなかったのです。心細い顔で立っている女子大生にTさんはコーヒーをあげたり、仕事の内容を説明してあげたりしました。
本当は事務仕事が山積みしているTさんでしたが、それどころではなかったようです。しばらくたち彼女が仕事に慣れてきたころ、Tさんは彼女を食事に誘い、2人はごく自然に交際するようになりました。
「こんなテレビドラマのような出会いが自分にあるとは思いませんでした。ラッキーです(ハート)」とメールは締めくくってありました。
もし、朝の事務所にいたのがTさんでなく他の人だったら、交際に至る展開にはなっていなかったでしょう。文字通りの「早起きは3文の徳」がTさんの身に起こったのでした。
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