昨年後半から目立ちだした動きとして、海外メーカーの日本参入がある。auも韓国Pantech&Curitel製のA1405PT(2005年10月12日の記事参照)を発売しているが、今後、ワールドワイドでの生産・供給を前提とした海外メーカーが入ってきたときに、従来のようなデザイン品質のコントロールが維持できるのだろうか。
「海外メーカーを別扱いにしたくないですし、してはいけませんよね。海外メーカーだとデザインのテイストや品質が違うというのは、作り手の論理ですから。auのラインアップである以上、海外メーカー製端末もauの顔ですし、(auとしての)デザインクオリティをお客様は期待します。我々としては最大限の努力をしていかなければならない」(小牟田氏)
ただ、それが現実問題として難しいのも事実だろう。特にノキアやモトローラのようにグローバル展開を前提にする海外メーカーは、デザインまで踏み込むキャリアのコントロールに慣れていない。
「他社のように海外メーカー製端末は海外メーカーのデザインとして受け入れるのも、1つの方法としてある。しかし、auとしては少なくとも『auの(デザイン)クオリティ』から外れないようにしていきたい」(小牟田氏)
今年はMNPの年である。MNPに向かっての戦略や抱負のようなものはあるのだろうか。
「KDDIの人間として模範解答をすれば、『着実に頑張っていきます』になるのでしょうね。販売サイドから見て、売れるかどうかも重要になるでしょう。しかし、1人のデザインプロデューサーの本音でいえば、MNPがあろうとなかろうと、お客様に対してよいデザインを継続的に提供していかなければならない。一番大切なのはお客様の満足度です。携帯電話を買うときにワクワクしてもらいたいし、その後に長く満足感をもってもらいたい」(小牟田氏)
あくまでデザインを文化として捉えて、よいモノ作りを目指す。小牟田氏が「キャリアの中の、デザインのプロ」という立場を貫いたからこそ、auのデザインはブランド力のひとつにまで成長したのかもしれない。携帯電話におけるデザインの重要性は今後もさらに増していきそうだ。
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