既報のとおり、NTTドコモはFOMA 90xシリーズ8機種と70xシリーズ2機種、さらにカード型FOMA1機種の計11機種を発表した。併せてHSDPA向けの音楽新サービス「ミュージックチャネル」や、「着もじ」と呼ぶコミュニケーション系新サービス、またセキュアな利用環境を実現する「電話帳お預かりサービス」なども発表した。
端末の発売時期は、5月下旬から6月上旬となる見込み。902iSシリーズ5機種と702iシリーズ2機種が比較的早期にリリースされ、SO902iWP+とDOLCE SLはその次にリリースされるという。HSDPA端末は、やや遅れての発売になりそうだ。なお価格は「902iSシリーズは3万円台なかばから後半。『N902iX HIGH-SPEED』はそれより高くなるかもしれないが、(新規で5万円の値がついた)『MUSIC PORTER X』ほどではないだろう」(ドコモ広報)。「SO902iWP+」や「DOLCE SL」などの企画端末は、902iSシリーズより安くなる見込み。各種新サービスは、対応端末の発売にあわせて開始されることになる。
これらの新機種で、ドコモが目指したことは何なのか。ドコモマルチメディアサービス部のサービス企画担当部長、前田義晃氏が発表会場で説明した。
前田氏は新機種で強化されたポイントを、大きく4つ挙げる。「HSDPA」「音楽とゲーム」「セキュリティ」「DCMX」だ。中でも「強く打ち出していきたいのは、音楽だ」(前田氏)という。
この音楽サービスは、HSDPAと密接に関わっている。HSDPAでは従来どおりの料金で最大3.6Mbpsのダウンロード速度を実現するが(4月28日の記事参照)、この速度を活かせる大容量マルチメディアコンテンツを提供する予定だ。具体例の1つが、「最長約1時間」とうたう音楽番組、ミュージックチャネルとなる。
「ミュージックチャネルの特徴は、何もしなくても自動的に夜中にダウンロードされる仕組みだ。ユーザーはまずミュージックチャネルに契約し、その後で各コンテンツプロバイダ(CP)のコンテンツをリストに登録する。好きな音楽を探すというわずらわしさはなく、どんどん“番組”をダウンロードして聞き流していくイメージ」(前田氏)。現在は9社が、無料〜月額数百円レベルのサービスを発表している。
各番組は、数曲の楽曲から構成されるものになる。aacPlusで48Kbpsの楽曲が10曲続く番組なら、容量は20Mバイト程度になるだろうという。「ファイルサイズは非常に大きく、最大で25Mバイトまでいける。最長で1時間の音楽番組になるので、通勤通学にちょうどいい」
番組は週に2回提供されるものもあれば、週1回、あるいは毎日配信されるものもあるだろうという。このあたりはCP側の判断にゆだねられる。番組は内部メモリに保存されるかたちで、外部メモリへの持ち出しは当初できない。「外部メモリへの持ち出しは、今後検討する」。なお、ミュージックチャネルを利用できるのはHSDPAユーザーのみになる。
ドコモでは初めてaacPlusフォーマットの「着うたフル」にも正式対応した。auの着うたフルと同様、楽曲の一部を着信音にできる。一曲は53円〜535円で、月額課金のCPも多い。当初の対応端末は、「P902iS」とHSDPA端末である「N902iX HIGH-SPEED」の2機種となる。「avexうたフル♪」のようなコンテンツのほかに、「毎日新聞・スポニチ」のように声優がエンターテインメント情報を読み上げるコンテンツも提供される予定だ。
さらに、HSDPA端末向けでiモーションの容量を500Kバイトから5Mバイトまで拡張する。これにより、ミュージックビデオや映画の予告編、アニメーションコンテンツなどが楽しめるようになるという。
もう1つの大きなトピックが、WMA形式のファイルに対応した端末が登場したことだ。ドコモは米Microsoftと提携して、FOMA端末に「Windows Media Technology」を搭載することで検討を進めていた。今回発表された「F902iS」はWindows Media DRM 10をサポートしたので、PCから携帯へWMA形式の楽曲を持ち出せる(5月11日の記事参照)。
NTTドコモとMicrosoftは今後WMA対応機種を拡大するほか、WMV(Windows Media Video)形式に対応したFOMA端末の投入も考えているという。
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