少々話はそれますが、私も「ああ、ストレスだ〜」と叫ぶことが多いのですが、そのたびに思い出すことがあります。私がまだ大阪の北新地でヘルプをしていたころ、毎日同伴をしていたヘルプナンバーワンのお姉さんがうらやましいと感じていました。今は亡き木下会長(北新地クラブ「城」オーナー)にそのことを打ち明けると、こうおっしゃいました。
「毎日同伴できない自分がストレスだと感じること自体、優希はホステスの才能が隠れているということ。同じヘルプでも、ルミは誰がナンバーワンでも気にしていない」
ルミさんはクラブで働きながら、実はフラワーアレンジメントの先生もしていました。「展示会に行くと、すてきな作品がたくさんあって自分がイヤになる。どうしてこういう風にできないんだろう」と言っていました。
彼女がチカラを入れていたのはフラワーアレンジメントのほうであって、ホステスの仕事は小遣い稼ぎ程度だったのかもしれません。
その後、私は銀座に移籍し、北新地にいたころよりも多くのお客さまと接するうちに分かったことがあります。“目指しているものが明確な人”というのは、それができている人をうらやましく思い、そこに到達できない自分をもどかしく感じます。ただ、そう感じることは、少なくとも自分はそこにたどり着けるレールの上に立っていて、実現の可能性があるということです。
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