敵は“味方”にあり? コンビニ内部不正、終わりなき戦いご一緒に“おでん”いかがですか 2(2/5 ページ)

» 2015年08月17日 08時00分 公開
[川乃もりやITmedia]

商品の飲食と持ち出し

 コンビニアルバイトのメリットと言えば、販売時間の過ぎた商品をもらえると思っている人も多いのでは。確かに、販売時間の過ぎた商品をアルバイトに配っている店もあるが、現在では止めている店が多い。なぜなら、売り物である商品と売れ残った商品の境がなくなってしまうからだ。

 つまり、アルバイトがそれを欲しいと考えたとき、棚に並べておけば売れる商品をわざと廃棄になるように仕込めるからだ。売れ残った商品にとどまるならまだいいが、場合によっては廃棄時間まで売り場に出さない行為に発展する。目の前に自由にできる商品がズラリと並んでいるので、金を払うという行為がばかばかしくなるのか、隙をみては商品を盗むようになる。

 筆者が遭遇した中で、アルバイトによる最大の持ち出し事件は、ゴミ袋に商品をパンパンに詰め込み「ゴミ」として店の外に出し、退勤後に持ち帰るというものだった。

 商品を盗むことを目的にアルバイトを始めるわけではないと思うが、オーナーが売れ残った商品を従業員の自由にさせる行為は、売れる商品も自由にできるという考えに変えてしまう恐れがあるため、多くの店ではそれを禁止している。

 オーナーも好きで商品を余らせているわけではない。余ったということは、自分の利益が減るということ。そして、従業員がそれを待ち望み喜ぶような状況は、精神的にも耐え難いものがある。

 余談だが、デパートやスーパーの従業員、特に女性従業員が透明の手提げ袋を持っているのを見たことがある人もいるのでは。あれは、店内から商品を持ち出していないかどうかを可視化するために導入されているモノである。

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