「しまむら」が「ナチスのマーク付き商品」を売ってしまった理由スピン経済の歩き方(2/4 ページ)

» 2015年08月25日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

「しまむら」への疑問

 1年ほど前の2014年8月28日、スペインのアパレルブランド「ZARA」が発売した子ども服のデザインが旧ドイツ軍ナチス強制収容所の服と似ていると批判され、発売翌日に店頭撤去している。このブランドでは2007年にカギ十字が入ったハンドバックが問題になってやはり発売中止になった「前科」もあって、日本国内でもニュースとして取り上げられた。でも大きな話題になった。

 このような同業者のミスを「人のふりみて我がふり直せ」にする企業は多い。マクドナルドやペヤングの異物混入騒動の直後も、多くの食品メーカーが異物混入防止や自主回収フローの見直しを行ったのは有名な話だ。

 わずか1年で「ZARA」と同じ轍を踏む「しまむら」に対して、「同業者のミスから学ぶつもりがないのでは」という疑問がわきあがるのは自然のことだ。

 日本の地方都市を主戦場にする「しまむら」に海外事例を学べって言われてもねえ、と肩をすくめる方もいるかもしれないが、実は「しまむら」はみなさんが考える以上に「グローバルな視点」をもっている。

 しまむらでは毎年100人を超える商品部のバイヤーが年4〜6回、定期的にパリ・ロンドン・ニューヨークなどでマーケットリサーチを続けています。(同社Webサイトより)

 「しまむら」は「ユニクロ」「GAP」「H&M」「ZARA」というSPA(製造小売)とは異なり、500社以上のサプライヤーの商品をセントラルバイイングで全国へ配置するセレクト型。全品買取のため「追加値引」「返品」をいかに抑えるのかが生命線であり、その鍵を握るのが本社に所属する約120名のバイヤーといわれる。

(出典:しまむらのWebサイト)

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