“自然の情報”を計測! PRO TREK「PRW-3500」の実力を試してみた(3/5 ページ)

» 2015年09月11日 08時00分 公開
[西山武志ITmedia]

 今までやったことのあったエサ釣りは、エサを投げて魚が食いつくまで待つ単純作業だった。しかし、バスフィッシングはまったく勝手が違う。人間が懸命に努力をして、無機物のかたまりでしかないルアーを“エサ”のように動かし、魚に食いつかせる……非常に創造的で、ゲーム性にあふれた行為だ。釣りの最中にそんな感想をSHINGO氏に伝えると、彼は同意して言葉を続けた。

 「スキルで魚を騙(だま)すことはもちろん、その日の場所とコンディションに最適なルアーを見出すこと、ボートで動きながら好条件の場所を見つけること……その1つ1つの過程がまさにクリエイティブなんです。だから、ものづくりに携わっている人ってバスフィッシングをやり始めると、どっぷりハマる人が多いんですよ」

 SHINGO氏は「PRW-3500」で気温と気圧をこまめに確認しながら、ボートを操縦してポイントを定めていく。気圧の変化は水中の魚の動きに影響を与える。気圧が低ければ低いほど水面にかかる圧力も小さくなり、水中の魚が動きやすくなるそうだ。

降りしきる雨の中、SHINGO氏から「魚に人のやましさを悟られてはいけない。平常心で、常に笑顔で」と指導を受ける

 雨の中、無心でロッドを振り続けること2時間弱。気づかぬうちに時が過ぎて、バスフィッシング体験は終了となった。この日、釣果を得ることができなかった筆者に対してSHINGO氏は「バスフィッシングは自然を相手にしているもの、“釣れない=失敗”というわけではない」と、最後に言葉をかけてくれた。一筋縄ではいかない、釣り堀のように“釣れて当たり前”ではないからこそ追求しがいがある世界なのだ。同氏によれば「一度凝り出したら、10年や20年なんてあっという間に流れていく」とのこと。プロの手ほどきを受けながら体験ができたことで、バスフィッシングの面白さの入り口に立てた気がした。

移動中にボートをかっ飛ばすSHINGO氏(左)と、おびえる筆者(右)

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