出世した人のパートナーは、どんな人?銀座で学んだこと(3/4 ページ)

» 2015年09月14日 08時00分 公開
[桃谷優希ITmedia]

早く立派になって

 次に紹介するのは、不動産会社を経営するCさん。奥さまとは空気のような存在だとおっしゃいます。2人で外出することもあまりなく、それぞれが本宅と別宅を行き来しているのだとか。それでもCさんは奥さまと不仲だとはおっしゃいませんし、むしろいなければならない存在だと言います。

 「僕が独立しようとしたとき、銀行からお金を借りようとしたんだけど、どこも門前払いだった。そのとき、彼女はどこからともなくお金を集めてきて、『このお金を使って起業してください』って言ってくれた。どうやって工面したんだって聞いても、『あなたは会社を大きくすることだけを考えて』って言われてね。

 当時、まだ交際2カ月足らずだったのに、彼女は借用書を要求することもなく、ポンと渡してくれた。彼女は美人なので他にもいい男はたくさんいただろうに、僕がふと『独立する』と言ったその言葉だけでお金をかき集めてくれたんだ。僕は“武士は食わねど高楊枝”が男だと思っていて、彼女の前で資金繰りに困っている話はしたことがなかったから本当に驚いたよ」

 それでもCさんは、彼女が集めてきたお金にはなかなか手を出さなかったそうです。

 「そうしたら彼女がこう言うんだ。『今のあなたの1円にもならないプライドのせいで毎日毎日金利が加算されます。早く使って、早く利益を出して、早く立派になってください』って言われて……。すると、ヘンな怒りが湧いてきてね。1年後、倍以上にして返済した日に、彼女に『結婚してくれ』とプロポーズした」

 Cさんは、もう30年以上奥さまと連れ添っていらっしゃいますが、本宅と別宅を分けているのは子育てと会社育てが落ち着いたので、今一度互いのプライベートを守ろうと話し合ったからだそうです。毎年、互いの誕生日、結婚記念日、お正月だけは共に過ごし、プレゼント交換をしてお祝いされるのだとか。長年連れ添ったパートナーとは、毎日一緒に居なくても、心は通じているようです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.