インタビュー
» 2015年11月02日 07時45分 公開

あらゆる電子機器のプリント基板保護膜で躍進、太陽HD社長の「理・響・躍」(4/6 ページ)

[まつもとあつし,ITmedia]

永井: 「感度を高めろ」と号令しても変わるものではありませんから、唐揚げ1つとっても実際に目にして、口にすることで少しずつ意識が変わっていくわけですね。ところで実際にクルマやスマホもバラバラにされているとか?

佐藤: はい。これも社員の猛反対にあいました。「社長、良いんですか? クルマ高いですよ」って。でも、それによってどのクルマにどのメーカーの基板が使われているのか、営業を戦略的に進めるための樹形図が描けるわけです。ハイブリッドカーではスペースの関係で、基板自体の面積は減っているものの、その分、集積のために半導体の利用度が高まっていることも分かった。研究開発をどこに注力すべきかも見えて来るわけです。クルマをバラバラにするのは一見乱暴で非常識に見えるかもしれないけれど、技術者がいろいろと推測に時間を使うよりも、ずっとコストパフォーマンスが高い。

永井: なんだか、警察の捜査みたい(笑)。しかし、まさに一見「非常識」なことを、佐藤さんは極めて合理的な判断で行っているわけですね。

佐藤: 当社は埼玉県の嵐山町という、決してアクセスが良いとは言えない場所にも事業所を構えているのですが、「太陽HDの飯はおいしいぞ」とご好評をいただいて、取引先にもわざわざ打ち合わせに訪れてもらえるようにもなりました。おいしいお店なら都心にたくさんありますが、この事業所の中でおいしいワイン、地ビールや地酒、そして食事まで一緒に楽しめるというのがバリューですね。

事務所から建設中の託児所を眺める。緑豊かな田園風景が広がる

永井: 恩恵にあずかることができる社員の皆さんはラッキーですね。そして、それで契約が取れれば……。

佐藤: 営業担当がカタログを持って説明に行っても、なかなか購入先を変えてもらうのは難しい。特に自動車部品はスイッチングコストが高いので、当社の製品の優れた特性をどんなにアピールしてもそう簡単にはスイッチしてもらえないんです。だから往々にして値引きで関心を引くしかなくなっていきます。

 そうではなくて、ホスピタリティを備えた――つまり遠方から訪れてもらう価値のあるようにオフィスや工場を整え、それを見てもらい、経営者同士も食事をし、話をすることで、先ずは信頼関係を築く。それでスタート地点に立てればよいですね。

永井: まさにわれわれが言うとところの「理」を実践されているわけですね。人間が信頼関係を構築するプロセスの本質にとても忠実に手を打たれている。

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