バリュープロポジションで見ると、マクドナルドの復活は価格面で見ると、1つは100円マックなどで低価格に寄りすぎたポジションを改めることだ。そうすることで、100円メニューで延々と長時間粘る客で店内の雰囲気が悪くなり、ファミリーなど従来の中心顧客層の足が遠のくという問題も解決できるだろう。
新規投入した200円メニューの評判は比較的良いようなので、「あと、たった100円プラスしただけですごくおいしい(価値が高い)」と認識されれば「グッドバリュー」のポジションに移行できるかもしれない。しかし、ひとたび続くメニューで評判を落とすようなことがあれば、「価格が上がって品質はそのまま=改悪」のポジションと認識されてしまうので気が抜けない。
一方、レギュラーメニューをどうするかだ。500円セットなどの導入で「単なる値上げ」のポジションにから割高感を払拭して「中価値戦略」のポジションに返り咲くことを意図しているように思われる。しかし、そこはマクドナルドと価格差がないことに気がついた消費者によって、モスやフレッシュネスがしっかりと座を占めることになっている。その座を取り返すなら、元々質の高さをうたっていた両社と対抗できるような商品の質の向上も必要となるだろう。
モス、フレッシュネス両社は新興のプレミアムバーガーの登場によって、相対的にプレミアムから中価値に移行したわけであり、マクドナルドが以前、中価値の座にいた時代の中価値とは質の面において向上している。
既存・新興勢力乱戦のハンバーガー業界新時代。バリュープロポジションの各ポジションの持つ意味(求められる価値のレベル)も変化しつつある今日、シェアナンバーワンのマクドナルドが、名実共に本来の王座を奪回し、復活するためには小手先ではない抜本的な改革が求められるのは間違いないだろう。(金森努)
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