マクドナルドは復活することができるのか(1/5 ページ)

» 2015年11月18日 07時15分 公開
[金森努INSIGHT NOW!]
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 マクドナルドの業績は8月の既存店売上高が19カ月ぶりにプラスに転じ復活の光明が見えたかと思ったが、9〜10月は再びマイナスに転落した。10月下旬には200円という価格帯で提供する「エグチ」「バベポ」「ハムタス」というニックネームの新作3品を投入。平日昼間の割引「昼マック」を廃止する代わりに500円のセット商品を週末も売る施策を開始した。

 前者の施策で100円マックという最低価格を向上させつつ、メニューの高さから敬遠する客を呼び戻し、後者の施策で同じく割安感を出しつつ、週末のファミリー客を呼び戻す意図が感じられる。現在同社の問題の1つはメニュー価格の二極化と、低価格メニュー狙いの客層の増加・ちょっと週末ランチするには高くなりすぎた価格を敬遠して主顧客であるファミリー離れが顕著な点が挙げられるが、その解消に躍起になっているように見える。

新興勢力の攻勢

 マクドナルドがそうこうしているうちに、新興勢力の人気が高まっている。「シェイクシャック」は厳選素材にこだわり、680円〜980円の価格で商品を提供。顧客からの味の評価は非常に高く、東京・神宮外苑の1号店には連日行列が絶えない。

 同じく食材の質・オーガニックに徹底してこだわる「ベアバーガー」も東京・自由が丘に1号店を構えた。価格は1380円〜2980円という高価格にも関わらず顧客の満足度は高くリピート率も高いという。

 国内の新興勢力もある。東京・表参道に12年12月に店を構えた「ザ・サードバーガー」は店内でバンズを焼き、肉を挽くなど製法にもこだわるが、自店の名を冠した中心商品「ザ・サードバーガー」は594円と、メニュー価格はマクドナルドと1000円超えのグルメバーガーの中間に位置付けるなど価格戦略にも抜かりはない。

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