土肥: なんと! でも「チームの状況」を知らせたり、「クレジット決済」ができるようにしたり、それくらいでお金が集まるものですか? 何かほかにもやっていそうな……。
浅田: 個人の基本情報を記載してもらっています。名前、住所、勤務先、学生時代の学部、卒業年次、ラグビーのポジションなど。「え、それだけ?」と思われたかもしれませんが、紙で管理しているとどうしても情報が古くなる傾向があるんですよね。毎年、ハガキを送っていたのに、ある年に返却されてきた。ちょっと調べてみると、引越しをされていて届かなくなっていただけ。引越しをされて住所が変わっても、なかなかクラブのOB組織にまでその情報を伝えませんよね。でも、Web上で管理していれば、その人は簡単に住所を変更することができます。
もちろん、Web上でできるのは個人情報の管理だけではありません。現役の選手には現在活躍している写真を、OBの方には当時の写真をどんどんアップしてもらう。ちょっとしたことですが、情報を共有することでつながりができてくるんですよね。紙で管理していたときは「2000年にはこうした選手がいたな」といった感じで、一部の人の間でしか共有されなかったことも、Web上であれば世代を越えて共通の話題になりやすいんですよ。
また、現在のチームはどういった活動をしているのかも、きちんと書かなければいけません。例えば「○月○日に試合がある」とか「試合結果」なども。情報をどんどん提供することで、それを目にしたOBは「これまで会費を払っていなかったけど、後輩のために……」となっていただける。
土肥: 「お金を集めるときだけハガキを寄こしやがって……」という感情がなくなるわけですね。
浅田: あと、画面を見れば、誰が会費を払っていて、誰が払っていないのかが分かる。払っていない人だけ抽出して、メールを送ることもできます。絶対に逃がさねえぞと(苦笑)。
土肥: ちょ、それは……(笑)。
浅田: たくさんのチームを見てきましたが、チームを支えるうえで「雑務を誰がどのように行うか」がとても大事なことが分かってきました。たかが「雑務」と思われたかもしれませんが、これがうまく回っていなければチーム運営も難しい。現役の選手はお金を集めることにあまり時間を使ってはいけません。スポーツに専念しなければいけないんですよ。選手のチカラを最大限引き出すために、まずはお金が集まりやすい仕組みを考えました。
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