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» 2016年01月22日 08時11分 公開

ノッている会社は、ここまでやっている!:競合店ができても、ドトールの売り上げがあっさり元に戻るワケ (6/7)

[上阪徹,ITmedia]

コーヒー豆以外にもこだわり

 コーヒー豆を中心に語ってきたが、ドトールコーヒーのこだわりは、それだけにとどまらない。例えば、店頭で飲むときのコーヒーカップ。今ではオリジナルのカップ&ソーサーが使われているが、形状から厚さから取っ手から、すべてにこだわり抜かれている。

 唇が触れるカップの縁は、飲み口がなめらかになるように、スムーズな口離れによって、液だれを起こしにくい曲線に吟味されている。取っ手の持ちやすさも、右手の人差し指を入れ、親指で上部を、中指で下部をはさみこむようにして持ち上げる前提で、最も指が当てやすい形状になっている。もちろん、熱いカップに指が触れずに済むよう計算されている。サイズによって取っ手の形状も変わっている。また、釉薬(うわぐすり)も考えて選び、洗浄したときに口紅が落ちやすいよう、調整したという。

 コーヒーを飲むとき、カップを持ち上げると、スプーンがソーサーにするりとすべり落ちてしまうことがある。カップをソーサーに戻そうとするとき邪魔になり、これが意外にイライラするのだが、ドトールコーヒーショップの食器では、こうはならない。ソーサーのカップの形状を考えて、スプーンがすべり落ちないよう設計されているのだ。

 ドトールのスティックシュガーの包装は、紙ではなくプラスティックフィルムが使われている。これは、業界初の取り組みだった。かつて使われた紙のスティックシュガーは、湿気に弱く、ソーサーの上、テーブルの上でも汚れやすかった。

 だが、ただ紙をプラスティックにしたのではない。当時、プラスティックは組織繊維上、縦向きにしか切れないとされていた。しかし、紙のスティックシュガーはみな横に切る。ならば、横向きに切れるようにしよう、と。だから、プラスティックメーカーとかんかんがくがくの議論をして、無理に作ってもらったのだという。

 持ち帰り用の紙コップも同様である。もともとメーカーからは、ファストフードなどで使われるプラスティック素材のモコモコした形状のカップを提案されたが、「持った感じが気持ち悪い」という意見が社内で出た。

 そこでエンボスタイプと呼ばれるものをメーカーと共同で開発した。紙の表面に小さな凸凹がついて熱さをカバーする。最近では、セブン-イレブンのコーヒーも、このカップが使われている。実は業界では「ドトールタイプ」とこのカップは呼ばれている。

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