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» 2016年01月22日 08時11分 公開

競合店ができても、ドトールの売り上げがあっさり元に戻るワケノッている会社は、ここまでやっている!(5/7 ページ)

[上阪徹,ITmedia]

ドトールが強く意識しているのは「鮮度」

 焙煎に関してもうひとつ、ドトールの強烈なこだわりがある。焙煎後の豆の鮮度のコントロールだ。ドトールでは基本的に、全国のお店からオーダーをもらった分だけ、工場でコーヒー豆を焙煎する。これはフレッシュローテーションと呼ばれている。お店は基本的に、古い豆の在庫を持たない。

 例えばお店が月曜日に発注すると、工場が火曜日にデータをまとめ、朝から焙煎して夕方には出荷される。しかし、店舗には直送されない。一度、ワンクッションが置かれるのだが、これにも理由がある。コーヒー豆は、焙煎したてはガスが出て抽出が安定しないから。最も飲み頃になるタイミングで届くよう、調整されるのだ。

 店舗から毎日のオーダー生産。おいしいタイミングでの配送。こんなことをやっている会社は、おそらくないという。それこそ多めに焙煎しておけば、在庫切れも起こさずに済むように思えるが、それはしない。焙煎した豆は、どんどん酸化していってしまうからだ。淹れて液体になった後も同様だという。

 コーヒーには15%前後の油脂分があり、空気に触れると酸化現象が起こる。これが、コーヒーの味を落とす。そればかりではない。コーヒーを飲むと胃が痛くなる、という現象が起きることがあるが、それは酸化してしまったコーヒー、古くなったコーヒーだったからではないか、と取材で聞いた。毎日、何リットルも飲んでいるドトールの工場の焙煎士が、胃をおかしくすることなど、まったくないのだそうである。

 ドトールコーヒーショップでは、焙煎から2、3日経った、ガスは抜けても酸化の進んでいない飲み頃のコーヒーが届き、しかもそれをすぐに使ってしまう。鮮度へのこだわりが徹底しているのだ。

 これほどまでにドトールが強く意識している鮮度だが、コーヒーチェーンの中には、海外で焙煎されたコーヒー豆を船で日本に運んでくる、というところもあるらしい。1カ月前後の日数をかけて、である。

 本当においしいコーヒーを飲みたいなら、お店で聞いてみたほうがいいだろう。ここのコーヒー豆は、いつ焙煎されたのか、どうやって運ばれてきたのか、と。

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