また、コンビニには新商品のアイスが毎週のように入荷してくる。定番商品とは違い、期間限定で販売する。ここでコンビニの新商品について説明しておこう。コンビニの新商品には大きく3つのパターンがある。
メーカーでは数年に1回程度、定番商品の刷新が行われている。定番として地位を確立しているモノほど商品そのもののリニューアル回数は少ないが、パッケージリニューアルはひんぱんに行われている。
毎年決まった季節に発売されていて、特に夏場の氷菓に多い。これも新商品として店舗に案内される。例えば、赤城乳業の「ガリガリ君 梨」(夏季限定)などがそれにあたる。
いわゆる“新商品”である。公言こそされていないが、ある種の実験的販売の意味合いもあると筆者は考えている。新商品の導入が早いコンビニでテスト販売し、好評だった商品をスーパーなどに拡大展開していくわけだ。「〇〇コンビニ限定商品」「先行発売」といったキャッチコピーのモノが、この中に含まれる。
季節限定の「ガリガリ君 梨」(出典:赤城乳業株式会社)
これらの新規商品は売り上げが高いわけでもなく、長期間店舗で販売するわけでもない。販売期間は2〜3週間といったところだろう。商品によっては1週間も経たないうちに店頭から姿を消すモノもある。
ただ、新規商品というのは物珍しさもあり導入直後の販売スピードは高い。また、コンビニの新商品には導入特典が付いていて、一定の期間、原価を安く仕入れることができるのだ。
コンビニ経営者にとって、この特典はオイシイ。新商品を少量で発注する。そして売り切る。なぜ少量を売り切る作戦なのかというと、次の週にはまた違う新商品を発注して売ろうと思っているからだ。こうしたことを繰り返して、コンビニは利益率を高めている。
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