清原和博が「スーパースター」から「容疑者」となった日赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2016年02月03日 07時14分 公開
[臼北信行ITmedia]

とても臆病で弱い人間

 このように語った前出の関係者は電話口の向こうで明らかに涙声だった。やや震えるような声になりながら「今となっては、もう遅い反省なのかもしれませんが」と言いながら、こうも続けた。

 「彼の本当の性格は、とても臆病で弱い人間なんです。子どものころから、ずっと臆病だから『ちょっとでも手を抜いて休むと野球が下手になって、他人に抜かれてしまう』という思いが消えなかった。だから臆病な自分を打ち消す為に常に努力を怠らず、人一倍のトレーニングを積んで野球のうまい人間になっていった。彼は努力によって『臆病』をいつしか『自信』に変えていったんです。

 プロに入ってからも、それはしばらく変わらなかった。でも人気球団の巨人へ入って以降の彼には、だんだんと『慢心』が生まれていった。そこで“自分は人気者でファンも多いんだ”というような錯覚を覚えてしまったのでしょう。

 巨人時代の2004年のシーズン中には両耳にダイヤモンドのピアスをつけたり『全身にタトゥーを入れたい』とおかしなことを言い始めていたこともありましたしね……。私は彼が転落の一途をたどる発端となったのは、巨人でプレーした時代に勘違いしてしまったことだったのだと思います。あの時にもう少し強く『このままじゃダメになるぞ』と進言していれば良かったのかもしれません」

 どちからかというとこれまで「コワモテ」のイメージが強かった同容疑者が「実は臆病だった」という指摘はかなり意外な感もある。しかしながら、結局その臆病な性格を捨て切れず逃避したくなったからこそ禁断の薬物に手を染めてしまったのかもしれない。

 「私もそう思います。彼はストイックになってがんばっていた時期は本当に輝いていた。それがなくなってラクをしようという思いが強まったところに、昔の臆病な自分が蘇ってきた。クスリに手を出したのはどうしようもなく弱いからですよ。これまで彼のことを信頼し、応援しようと思っていた人たちは世間に数え切れないほどいる。彼の支援者や彼が携わっていた球界の方々、そして何よりもファンの方々……。清原和博の犯した裏切りの代償は、とてつもなく大きい」(前出の関係者)

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