「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
先日、日本でもレジで現金が引き出せる「キャッシュアウト」が可能になるのでは、というニュースがあった。われわれ日本人にはあまり馴染みがないが、海外ではごく日常的に利用されているサービスで、現金引き出しの際にはキャッシュカードやデビットカードを使う。これを日本でも、金融機関の規制を緩和して導入しようというのだ。
今回は、このデビットカードを利用したコンビニでのキャッシュアウトの可能性について考えてみたい。
ご存じのとおり、デビットカードは預金口座と支払いをリンクさせたモノで、そのまま支払いに使える。これを初めて知ったときは「便利なモノができたなあ」と関心したものだ。
デビットカードはクレジットカードと違い、預金口座の残高の範囲でしか使えない。つまり、おサイフに入っている現金と同じ感覚で使える。また、クレジットカードのように後からまとめて請求が来るのではなく、預金残高がその場で反映されるので「使い過ぎる」ことがない。そのため、金銭的な計画性が欠けている人でも比較的安心して使えるカードなのだ。恥ずかしながら筆者もその1人で「これはオレのためにできた仕組みだ」と思ったほどだ。
ただ、読者の中で「デビットカードで買い物をしたことがある」という人は、実際どのくらいいるのだろうか? 現在、一部の条件下ではあるものの、コンビニでもデビットカードは使えるのだが、20年近くコンビニに携わってきた筆者ですらその支払い処理をしたことがあるのは、正直数えるほど。デビットカードが支払いのサービスとして、消費者に浸透しているとは到底言い難い。
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