究極の環境変化は職場を変えることです。しかしリストラを行う企業の例のように、現実の40代以上の転職は、一部を除き限りなく難しく、安易に退職してしまうことは危機回避にならず、もっと大きい新たな危機につながる可能性が高いのです。しかし意識の拡大を狙うのであれば、実際に退職や転職をするのではなく、その前まで進んでみる手があります。
インターネットで検索すれば、転職エージェントは山のように出てきます。そうした人材会社のほとんどは、登録を無料で受け付けます。中には年収診断などをしてくれるところもあります。転職希望のような機密性の高い個人情報が漏れだす恐れはまずありませんので、こうした人材会社への登録をしてみるのは、実際に会社を辞めずともできることです。
これをすると何が変わるかと言えば、限りなくリアルな自身の人材としての相場が分かるのです。今の勤め先で部長だとか、年収が何百万、何千万だとしても、それが外部環境において適正かどうかがはっきり分かります。そもそも、かなり多くの人材会社は登録すら受け付けない可能性があります。
職業安定法により規制されている人材会社は、登録を断ることはできません。しかし、実際にマッチングの可能性のない人材と会っても時間とエネルギーのムダと考え、「現在ご紹介できる案件がありません」という理由で、登録や面談を断る可能性は非常に高いといえるでしょう。
ショックかも知れませんが、本当に抜き差しならない事態になってからショックを受けても立ち直る時間がありません。心の準備をして、自身の市場価値を調べてみることで、今の職務や職場への思いは変わるかも知れません。当然、高い市場価値を示される可能性もあります。そうであれば人材会社からぜひ会いたいと言ってくることでしょう。
特に、中年になるまで転職をしたことのない方にとっては、キャリアを見直す契機になると思います。(増沢隆太)
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