お客はチラホラなのに、なぜビアードパパはインドネシアで絶好調なのか水曜インタビュー劇場(サクサク公演)(4/7 ページ)

» 2016年03月09日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

海外展開で苦労したこと

土肥: 海外の店舗も、日本と同じスタイルですよね。注文が入れば、お客の前でクリームを詰める実演販売スタイル。シュークリームの味も日本のモノを再現されているようですが、苦労もあるのではないでしょうか。

山岡: 2つあります。1つめは「温度管理」。シューはマイナス20度で管理しなければいけないのですが、運搬中に温度が高くなるケースがあるんです。例えば、冷凍車でシューを運ぶのですが、ショッピングモールの搬入口から店までは手で運ばなければいけないところがあります。暑いところでシューを長時間放置していると、どうしても質が落ちてしまう。マニュアル通りに、決められた時間に解凍しなければ、シューがちゃんと膨らまないんですよ。

 「冷凍パンを自宅のオーブンで焼くとちゃんと膨らむよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ビアードパパのシュークリームは膨らませる成分などが入っていないので、温度管理は欠かせません。

 もう1つは「材料」。ビアードパパのポリシーはどの国に行っても日本のモノと同じ味を提供すること。カスタードクリームは現地の材料を使っているのですが、国によってなかなか材料がそろわないことがあるんですよ。そこは苦労しますね。

土肥: 海外でしか食べることができないフレーバーはあるのですか?

山岡: シンガポール、マレーシア、インドネシアで「ドリアン」が入ったカスタードクリームを販売しています。名付けて「ドリアンカスタード」。

土肥: ド、ドリアン!

山岡: 東南アジアではドリアンを好む人が多いので、よく売れていますね。現地のオリジナルフレーバーを販売する場合、日本で事前に審査を受けなければいけません。そこで「OK」がでれば販売できるわけですが、ドリアンカスタードの場合、現地の方から「新しいフレーバーができました。食べていただけますか?」と言って持ってこられたのですが、日本人ってあまりドリアンを食べないですよね。というわけで、試食した者からは「よく分からないけれど、『現地の人が食べたい』ということであれば、問題ありません」といった感じで、OKを出しました。結果、3カ国では、定番商品のひとつとして人気がありますね。

バリ国内空港の中の店舗

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