北陸新幹線の敦賀〜大阪間ルートについては報道が交錯している。速達性の面からJR西日本案が有力という見方もあれば、従来の小浜ルートで経由地と見込まれた亀岡市はJR西日本案に反対し、舞鶴案に傾倒する。京都府も舞鶴ルートに賛成の様子。関西広域連合は米原案に消極的となりつつあり、関空接続に関心を示しているようだ。
こうした動きに対して、報道メディアの多くは「我田引鉄」と揶揄(やゆ)しつつ、「混沌としている」「動向が注目される」「適切な判断を期待」という結びばかりだ。「このルートにすべき」という明確な論考の少なさが嘆かわしい。決定権は政府与党のプロジェクトチームにあるとしても、かつて井上勝が参考にしたような、地縁に関係ない意見を挙げる必要がある。
杉山私案。北陸新幹線はJR西日本案の新小浜ルートとし、北陸新幹線プロジェクト委員長案は山陰新幹線に組み込む。山陰地域は米子空港のソウル便以外に国際線が就航しておらず、関西国際空港と直結する意味は大きいブログなどで多くの人が発信できる現在、識者から有益な意見を採り上げる役割こそメディアの使命である。この国にとって北陸新幹線はどうあるべきか。そうした見地から、明確に「これがいい」という意見をもっと挙げるべきだ。私は1973年の新幹線整備計画を尊重しつつ、JR西日本案が最適と考える。もし異なるルートで決着したとしても、「その後の後悔の火種として燻り続けてやる」という覚悟を持って本稿を記す。
イチ鉄道ファンとしては「どれでも良いから早く作ってよ」ですけどね。
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全国新幹線計画は「改軌論」の亡霊Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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