舞鶴〜京都〜関空ルートは、与党検討プロジェクトの西田昌司委員長が提案した。小浜からさらに西へ向かい、舞鶴から南東へ転進して京都に至り、さらに南下して関西国際空港に至る。新大阪駅との結節にはこだわらず、大阪都市部の駅候補地は天王寺を想定しているという。このルートは京都府を縦貫する。西田氏は京都選出の議員である。我田引鉄という指摘も多い。私もそう思うし、そもそも委員長という、ルートを絞る会議をまとめる立場で、さらに惑わせる新提案とは恐れ入る。
2015年11月に提案された政府与党の北陸新幹線プロジェクト委員長案。小浜から西へ進み、舞鶴から京都へ向かう。舞鶴〜京都間の具体的なルート案は示されていない。しかし京都府を主体とした近畿圏南北縦貫ルートのため、亀岡経由も考えられそうだ。この略図は地図を基に各都市の位置関係を示しているため、この案はかなり迂回していることが分かるしかし、アイデアとしてはそんなに悪いとは言えない。関西国際空港と新幹線の結節という意味では、東海道新幹線を成田空港へ延長するというくらい斬新な提案だ。舞鶴は日本海側の重要港であり、国際物流、国防の面でも看過できない。しかも東海道新幹線二重化、北陸と近畿地域との結節の条件は満たしている。舞鶴まで延ばせば、山陰方面への新幹線計画にも弾みが付きそうだ。
欠点はただ1つ。北陸新幹線のルートとして、舞鶴経由京都というルートは迂回しすぎる。致命的な問題だ。小浜〜京都間は直線距離で約60キロメートル、小浜〜舞鶴〜京都間は直線距離で約100キロメートルだ。当然ながら建設費は増える。北陸〜近畿間の所要時間も長い。建設費を安く上げる米原ルート、JR東海との競合を避けて速達性を高めた新小浜ルートに比べると、舞鶴案はどちらの条件とも逆をいく。
舞鶴ルートの重要性は理解できるけれども、それを北陸新幹線に組み込んでしまうと、広域輸送という国策にはそぐわない。舞鶴ルートは地域サービスに偏りすぎる。「京都縦貫新幹線計画」として、京都府・大阪府を主体とした独自の計画でやればいい。あるいは、舞鶴よりもっと西を視野に入れて、山陰新幹線計画へ昇華させてもいい。
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