土肥: いきなりですが、「自分は方向音痴ではない」と思っているんですよね。というのも、街中で迷うことはほとんどないから。でも、新宿駅を利用するときには必ずといっていいほど「迷う」。月1〜2回くらいしか利用していないので、全体像を理解するのが難しいのかもしれません。
そんな“迷宮”のような新宿駅でも、田村先生は「駅の構造を理解すれば、迷うことはない」とおっしゃっているそうですね。ズバリ、お聞きしたい。新宿駅の構造ってどうなっているのでしょうか?
田村: 「オレも迷う」「ワタシも迷う」といった声をよく聞いていたので、新宿駅の端から端まで歩いて調べました。新宿駅の構造がどうなっているのかを。そこで、びっくりしたことがありました。それは、新宿駅の構造を示す地図がなかったこと。
土肥: えっ、本当ですか?
田村: はい。各電鉄会社は自社で管轄している駅の地図はつくっています。でも、それ以外の地図はつくっていないんですよ。つくっているかもしれませんが、公表していません。
土肥: 考えてみれば、新宿駅は鉄道会社が集まってできているのではなく、それぞれの会社が「隣接」しているので、全体の構造を示す地図がないのかもしれません。
田村: 新宿駅の特徴のひとつに、「新宿」と付く駅が10もあるんですよ。「新宿駅」「西武新宿駅」「新宿三丁目」「東新宿駅」「新宿御苑駅前」「西新宿駅」「西新宿五丁目駅」「新宿西口駅」「新線新宿駅」「南新宿駅」――。これに加えて、例えば「新宿駅」ひとつとっても、JR東日本、東京メトロ、都営地下鉄、小田急線、京王線にそれぞれ「新宿駅」があります。
新宿駅は地上2階、地下7階の重層構造で、この中をJR各線、東京メトロ(丸の内線)、都営地下鉄(新宿線、大江戸線)、京王線が通っています。このように話しているだけでも分かりにくいので、ドイさんのように迷う人がたくさんいても不思議ではないかもしれません。
土肥: 不思議ではありません。迷う側からすると、迷ない人のほうが「不思議」。
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