土肥: いろいろ改良されたようですが、合計でどのくらい?
アサヒ: 34カ所ですね。
土肥: そ、そんなに!
アサヒ: 背負っているときにカラダの熱を放出するために、背中との接触面は温度調整ができる素材を採用したり、腰ベルトをワンタッチで装着できるようにしたりなど、できるだけ使いやすいように改良を加えました。
土肥: 話を聞いていて、いいモノをつくったなあと感じました。でも、ここでひとつ疑問。2代目の課題を把握されていながら、なぜ10年ほど改良されてこなかったのでしょうか? (意地悪な質問です)
アサヒ: ずっと前から「つくりたいなあ」と思っていました。でも、ちょっと別の仕事がありまして……。すいません(汗)。
土肥: キャストが背負うサーバーを改良したところで、利益がぐーんと伸びるわけではないので、すぐに改良できなかったという事情があるかもしれませんが、とはいえ彼女たちが困っていることに着手したことはものすごく意味があると思うんですよね。そもそもどういったきっかけで、サーバーを改良しようと思われたのでしょうか?
アサヒ: 2年前、ある球場に足を運びました。「球場で何か開発のネタになるモノはないかなあ」といった目的で。場所は東北、時期は4月。まだまだ肌寒かったのにもかかわらず、生ビールを売っているキャストは大粒の汗を流されていました。よーく見ると、鼻の上に玉の汗ができていたんですよね。また、キャストのみなさんがどういった仕事をしているのか調査したところ、想像以上の重労働であることが分かってきました。
寒い中であるにもかかわらず、鼻の上にできた玉の汗。実際に働いている人たちの声。目で見て、話を聞いて、「もうこれはやらなきゃイカン」と思いました。開発に着手するのには時間がかかりましたが、3代目を使ってもらうことで彼女たちの負荷が少しでも軽減できればうれしいですね。
土肥: なるほど。本日はありがとうございました。
(終わり)
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