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» 2016年04月21日 08時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:潘基文の最大の功績は? 国連が変わるかもしれない (2/4)

[山田敏弘,ITmedia]

国連事務総長は常任理事国の「奉公人」

 2016年1月に死去した米国の元北朝鮮担当特別代表スティーブン・ボズワースのコメントを見れば、事務総長がどういう扱いで見られているのかが見える。ボズワースに言わせると、国連事務総長は米国をはじめとする常任理事国の「奉公人」に過ぎない。さらに2015年にメディアのインタビューに答えたボズワースは、潘に「指導力を発揮してもらう必要はない」とまで述べている。

 例えば潘は、北朝鮮との対話を目的として2010年に国連関係者2名を北朝鮮に送り込んでいる。その行動についてもボズワースは、「米国は伝統的に国連事務局長の個人的な関与は歓迎していない」と一蹴している。

 国連総長とはそうした役割くらいにしか見られていないのである。もっとも、国連職員5万人の頂点に君臨する国連のトップである潘が、任期中に何か世界を引っ張るようなリーダーシップを見せたり、世界の紛争や歪みについて効果的な言動を起こしたなんていうのは記憶にない。

 また日本では、彼が韓国人ということで彼に批判的な人たちも少なくない。だがそうした感情論を差っ引いても、潘が立派に役割を果たしたかどうかには大きな疑問符が付く。

 事実、過去にはインガブリット・アレニウス前事務次長が潘を批判する50ページの文書を提出して国連を去ったという事例も起きている。また英ガーディアンは、「最近引退した国連高官は潘の最大のハンディキャップは彼が英語を流ちょうに使えないことだと言う。そのために米国やそのほかの地域で支持を勝ち取ることが困難になっている。『私たちは彼に話し方や、メディアトレーニングのレッスンをした』と、この高官は言う。話し方のレッスンは多い時で週に2、3回行い、良くはなったがまだ不十分だ。『私たちはテレビ出演を控えるようアドバイスした。彼は押し付けがましい』」と、バカにした感じで書いている。

 さらに最近でも、中東和平問題で失言したり、モロッコのゲリラを支持する発言をしたり、米議会議員からも「無能」と呼ばれて話題になるなど、相変わらず批判的な声が多い。

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