「TRAIN SUITE 四季島」の価格は世界トップクラス、サービス内容は見合っているか?杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/5 ページ)

» 2016年05月13日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]
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冬は2泊3日コースも予定されている(出典:「TRAIN SUITE 四季島」公式サイト) 冬は2泊3日コースも予定されている(出典:「TRAIN SUITE 四季島」公式サイト

 韓国のクルーズトレイン「ヘラン」は、2泊3日のツアーで122万〜150万ウォン(約11万4000円〜14万円)。オーストラリア大陸横断鉄道「インディアンパシフィック」の一等個室は3泊4日で2569オーストラリアドル(約20万5000円)。カナダ大陸横断鉄道「カナディアン号」のプレステージ個室は3泊4日で8701カナダドル(約73万5000円)。アムトラック「サンセット・リミテッド号」3泊4日の個室は830米ドル(約9万円)、ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスのベニス〜パリ〜ロンドン線は2210ポンド(約35万円)だ。

 日本のクルーズトレインは、海外の豪華列車の相場からしてもトップクラスである。JR九州もJR西日本もJR東日本も、高額という批判を恐れて値引きを検討する必要はない。むしろ、価格に見合ったサービスの向上を続けるべきだし、新たなサービスに見合う値上げをしていくくらいの気概がほしい。富裕層の関心は価格ではなく、どれだけ心地よくしてくれるか、楽しませてくれるか、というサービスの内容だ。

 そして重要なことは、こんなに小さな島国に、3種類もクルーズトレインがあることだ。どの列車もコースが重複していない。それは互いの競争を生むと同時に、海外のクルーズ旅行客にとって魅力的な選択肢となる。

 2017年、日本はクルーズトレインを3本も走らせる「観光列車立国」になる。この3本の矢は、世界のセレブに訴求できる。3つとも乗っていただくと、日本という国の魅力を存分に理解していただけそうだ。

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