単に拡大というよりは、「シェア」に近い。缶を開けたときに広がった香りの感動、街で見かけたアートな郵便受け、そして自分が一番美味しいと思っているコーヒー。彼は話をしているとき、まるで自分の体験をシェアしてもらいたいというような語り口調だ。
最後にフリーマンは、フランスの作家、マルセル・プルーストの作品の一部を引用しながらこう言った。
「ある絵描きが偶然できた黄色いシミを見て、『これは完璧な絵だ』と思った瞬間、これまで自分がやってきたことは何だったんだと振り返るエピソードがあります。自分が作って完璧だと思っていたものよりも、自然にできたもののほうが完璧なことがある。ブルーボトルコーヒーも、そういうことを意識しながら進化させていきたいですね」
クラリネットを置いたフリーマンにとっては、このブルーボトルコーヒーこそが偶然の産物。オーケストラからコーヒーの世界へ。場所は変わっても彼の演奏は続く。
(敬称略)
【変更履歴】一部事実と異なる箇所があったため、記事初出時から変更しております。訂正してお詫び致します。(5/16 19:14)
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