虫歯だらけで早死にした徳川“スイーツ将軍”とは?歴ドル・小日向えりの「もしあの武将がネットサービスを使ったら……」(3/3 ページ)

» 2016年06月18日 08時00分 公開
[小日向えりITmedia]
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30本の歯が……

 さて、お待たせしました。スイーツ将軍たるゆえんについてです。家茂は21歳の若さで夭折していますが、亡くなった原因は何と「虫歯」です。家茂の頭蓋骨を調査したところ、残っていた31本の歯のうち30本が虫歯に侵されていたそうです。

 好物は羊羹(ようかん)、氷砂糖、金平糖、カステラ、最中(もなか)など。「虫歯で死ぬことがあるの?」と思ったでしょう。直接の原因は「江戸わずらい」と呼ばれる脚気(かっけ)ですが、引き金となったのが虫歯でした。

 家茂は1865(慶応元)年に長州と戦うため3度目の上洛を果たし、そのまま大阪城に滞在します。ところが、翌年5月ごろに脚気をわずらいました。この年はとりわけ暑さが厳しく、ビタミンB1の消耗も激しかったようです。7月、家茂の両足はむくみ、長州戦のさなかに倒れてしまいます。

 ところが、甘いものに目がない家茂、虫歯がもとで体力と抵抗力が低下して、病気の悪化に拍車をかけました。病の床に届いたお見舞いは好物の甘味ばかりで、糖分がビタミンB1の消費を促し、脚気を悪化させました。医師団が総力を挙げて治療に取り組むも甲斐なく、脚気による急性心不全によって、1866年8月29日に亡くなりました。

 最後にお決まりのネットサービスソムリエをしましょう。スイーツ将軍・家茂が現代に生きていたら、オススメしたいネットサービスは「スイーツGoGo」です。

 こちら、スイーツ好きの人向けの「スイーツ専門ニュースアプリ」で、パティスリー、カフェ、甘味処、専門店、コンビニ限定など、こと細かにジャンル分けされたスイーツ情報を入手できます。また、個人のブログも配信されるため、マニアックな情報もつかめそうです。

 もし家茂が生きていたら電動歯ブラシで虫歯対策をしっかりしつつ、大好きなスイーツライフを楽しんでほしいものです。ただし糖尿病にはお気を付けて。

著者プロフィール

小日向えり(こひなた えり)

1988年生まれ。奈良県出身。横浜国立大学卒業。歴史、特に三国志、戦国、幕末に造詣が深く、元祖歴史アイドル=歴ドルとして活躍中。著書に「イケメン幕末史」(PHP新書)、「会津に恋して」(中経出版)、「恋する三国志」(青志社)、「いざ、真田の聖地へ」(主婦と生活社)がある。信州上田観光大使、会津親善大使、関ヶ原観光大使。

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