許される不祥事、許されない不祥事の違いとは(1/3 ページ)

» 2016年07月07日 06時30分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:

増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

 RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。


 芸能人のスキャンダル、犯罪、企業不祥事といったトラブルやアクシデント発生時の対応は、一歩間違えればその存続をも脅かしかねない大きな影響をもたらします。昨今の芸能人スキャンダルも、取り扱いを間違えてえんえんと火が燃え続けている人もいれば、上手な火消しで早々と活動を継続再開できる人もいます。この違いは正しい間違っているという善悪の差ではありません。

ベッキーとゲス氏の違い

 年明けからたいへんなスキャンダルとなったベッキーさんの騒動ですが、かつてのような芸能活動はいまだに再開できていません。一方、その相手となったゲスの極み乙女の川谷さんですが、こちらも根強い批判にさらされ続けています。被害者は元妻であって、この当人お2人は加害者なので、いつまでも許されないのでしょうか?

 国民的タレントで好感度がトップクラスだったベッキーさんにとって、このスキャンダルはまさに芸能生命を脅かすほどの大問題となりました。結果として収束を図るはずの記者会見がさらに燃料投下となってしまい、半年たった今もレギュラー番組やCMへの復帰はできていません。危機はまだ続いています。

 一方の川谷さんですが、こちらも激しい批判が続き、現在も表舞台には出ていないようです。しかしこの方、そもそも表舞台の人だったのでしょうか? 2015年のNHK紅白歌合戦にまで出場するほのメジャーなバンドですが、決して日本中誰もが知っているような存在ではないと思います。

 つまり、客層がベッキーさんと川谷さんは全く違うのです。広く国民的タレントで、誰にも好かれる好感度を武器にその立場を築いた人と、知る人ぞ知るインディー系出身バンドとでは、提供する芸能・芸術の対象が全く異なります。

(写真と本文は関係ありません)
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