4000万人がやって来る 外国人が驚く、インバウンド事情

ドン・キホーテが訪日客に選ばれ続けるワケ(2/3 ページ)

» 2016年07月22日 08時00分 公開
[鈴木亮平ITmedia]

現場の判断に全て任せる

 2014年は、新免税制度が導入され、一部の商品のみに適応されていた免税品が全品に拡大したことや、円安が進んだことで訪日客のショッピング熱が高まり「爆買い」という流行語が生まれた。

 最近、多くのメディアから「爆買いの勢いが衰え始めた」という声をよく聞くが、それは正確ではない。実際、百貨店などはブランド品の売り上げが落ちていて、免税品売上額が前年比でマイナスになっているのは確かだが、高価格帯商品から化粧品、食品などの比較的安価な商品に熱が移ったというのが実情である。訪日客数自体は伸びており、ショッピング熱はいまだに健在だ。

photo 高島健太郎ゼネラルマネージャー

 ブランド品や家電から薬品・化粧品、そしていまは食品――このように訪日客のニーズは短期間で変わっていく。こうした状況の変化に対して迅速に対応していくために、同社では各店舗に商品構成、陳列方法など全ての裁量を与えているという。

 「とても短い期間でニーズは変化しますし、売れる商品も地域、店舗によって異なります。だから店舗ごとの対応・戦略が必要になるわけです」(高島氏)

 その地域のご当地商品がよく売れるなど、人気商品も違えば、訪日客の国籍も店舗ごとに異なるのだ。例えば、同じ大阪でも御堂筋店の場合は中国人が最も多く、道頓堀店では韓国人が最も多い。また、店舗によって訪日客がどの時間に多く来店するのかも異なる。

 つまり、多言語を話せるスタッフの人事配置も含め、その店舗にくる訪日客のニーズに正確に対応するためには、中央(本社)がコントロールするのではなく、全て現場に判断を任せることが重要になるのだ。

 「縦割りでやっていたらスピーディーな対応ができないだけでなく、意味(ニーズ)のない施策を展開してまう可能性も大きいですから」(高島氏)

 こうした現場の対応力が多くの訪日客を呼び込む大きな要因となっているといえる。

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