手塚治虫さんと並んで日本のマンガ文化に多大な貢献を果たした石ノ森章太郎さんが生まれ育った宮城県登米市中田町に、「石ノ森章太郎ふるさと記念館」という施設がある。そこには記念碑があり、石ノ森さんが遺した以下の言葉が刻まれている。
『町はひとりではおこせませんが人はひとりでもおこせます おこすとは興すであり熾すであり起すです 一人一人の魂の覚醒こそが町おこしの第一歩であり皆さんの役目であります』
石ノ森さんの言うところの「一人一人の魂の覚醒」が、岐阜県出身のクリエーターたちに起きていると考えれば、ここにきて県内に「聖地」が増えていることの説明がつく。
20年以上前、声高に叫ばれた「岐阜をアニメ・マンガ王国に」という戦略が長い時間を経ていよいよ大輪の華を――というのは、岐阜県のことをやや買いかぶりすぎだろうか。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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