コラム
» 2016年10月21日 05時30分 公開

飲食店での現金取り扱いに潜むリスク(3/3 ページ)

[日沖博道,INSIGHT NOW!]
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 例えばノロウイルスなど強力な感染力を持つウイルスや細菌の保有者が触った硬貨を受け取った人が、その手で自分の鼻や口を触ったら簡単に感染してしまうだろう。その硬貨に触った従業員が調理または配膳した料理品を食べたお客が食中毒になる可能性は決して低くない。飲食店としては食材の調達・調理の際の殺菌には万全を期しているのに、とんだ抜け穴がぽっかり空いているようなものだ。

 飲食店経営者とすると気になるだろうが、現実問題として対処できるのだろうか。レジ対応専門の従業員を置ける店などというのは今どきほとんど無い。取分けする際にはビニール手袋をして、お勘定をする際には素手で、といった区別をしている「中食」店を見たことも何度かあるが、ビニール手袋をいちいちはめたり脱いだりするのが面倒そうなのと、その際に手袋を素手であちこち触っているので無意味だと感じる。

 それ以上に有効なのは、やはり現金の取り扱いを極力抑え、カードや電子マネーで支払ってもらう体制に早く持っていくことだろう。実際のところ日本の大都市では、(クレジットカード端末に加えて)電子マネー用決済端末を設置している店舗が世界的に見ても多いと感じる。そしてその利用率は着実に上がっているらしい。つまり機運はあるのである。

 非現金決済のさらなる普及度向上に向けての一番の障害が店舗にとってのクレジットカード手数料の高さだろう。大型小売店で3〜5%、飲食チェーンで4%〜(一般小規模店なら5%〜が多い。遊興施設や風俗施設では10数%に跳ね上がるらしい)とされ、国際的に見ても随分高い水準だ。

 最近は小型カードリーダーを使うモバイル型カード決済や電子マネー決済が普及し始めて手数料の値下げ圧力が強くなっているとはいえ、まだまだ割高なのは間違いない。主な要因の一つとして、クレジットカード決済時に利用するCAFISというクレジット情報照会サービスの利用料の高さも指摘される。関係者のさらなる努力を期待したい。(日沖博道)

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