ライザップはなぜ「結果にコミットできる」のかライザップに挑戦してみた(4/4 ページ)

» 2016年10月28日 07時06分 公開
[上阪徹ITmedia]
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「結果にコミット」できる理由

 トレーナーについて、瀬戸社長は本の中で語っている。

 「人間性が問われますよね。お客さまにきちんと愛情を持って関われること、お客さまにきちんと向き合えること、本気でお客さまの結果にコミットする覚悟があること。トレーナーにはそうしたことが必要です。また、トレーニングや食事をこなすためにも、ワクワクするようなゴール設定をする力も求められます」

 社長自らがここまで熱く語るほど、トレーナーの存在をライザップは重要視している。だからこそ、厳選採用が行われる。トレーナーをたくさん採用したいが、譲れないところは譲れないのだという。

 そんなトレーナー採用のキーワードが、「人を喜ばせたいという気持ち」だ。自分自身が成長する意欲を持っていることはもちろんだが、ゲストのために、仲間のために、悩んでいる人のために行動ができること。

 「もっと健康に」「もっと笑顔に」という思いを行動に移せる人。人の喜びを自分のエネルギーに変えられる人。そういう人材を求めているのである。

 さらに、もうひとつのキーワードは、「コミュニケーション力」だ。単にトレーニングスキルがある、低糖質食事法の知識がある、というだけでは、ライザップでトレーナーとして仕事をしていくのは難しいのである。

 逆に、トレーニングスキルや低糖質食事法については、徹底した研修プログラムが用意されている。「ライザップアカデミー」という研修拠点も作られている。あとからスキルや知識は身につけることができる。だからライザップには、営業職やサービス職出身のトレーナーが、たくさんいる。

 そして、ロジックにトレーナーの存在が深く重ね合わされるからこそ、ライザップは「結果にコミット」できる。確実にゲストが求める結果を、出すことができるのである。

(次回はライザップが目指す意外な未来)

プロフィール:上阪徹(うえさか・とおる)

 1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立。最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビューを得意とする。雑誌や書籍などで執筆するほか、取材で書き上げるブックライター作品も70冊以上に。取材相手は3000人を超える。

 著書に『ライザップはなぜ、結果にコミットできるのか』『やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター。』など。


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