2つの駅がある蒲田は、どんな街なのか?○○駅の拠点力(蒲田編)(2/4 ページ)

» 2016年11月04日 11時23分 公開
[小林拓矢ITmedia]

実質的に1つの駅

 それだけではない。東急池上線・多摩川線の終着駅もまた、隣接している。池上線と多摩川線のホームがくし状に並び、屋根も広いこの駅は、昔ながらのターミナル駅を思わせる。

 1番線と2番線が池上線、3番線と4番線が東急多摩川線だ。その他にも、降車専用ホームがある。

 池上線が各駅に停車し山手線にある五反田駅へと向かい、多摩川線が東急東横線の多摩川駅へと、やはり各駅に停車して向かう。列車はどちらも3両編成だ。多摩川駅では、東急東横線や目黒線に乗りかえることができる。

 もともと、目黒線と多摩川線は一体の路線で、「目蒲線」と呼ばれていた。2000年に目黒線と東急多摩川線に分割され、目黒線は複々線化された東横線の田園調布〜武蔵小杉間を走るようになった。2008年には、日吉まで目黒線は乗り入れるようになった。

 また目黒線は2000年に東京メトロ南北線・都営三田線と相互直通運転を行うようになった。

 目蒲線から切り離され、独立独歩の道を歩むようになった多摩川線は、短編成・高頻度・各駅停車とシンプルな運転形態となっている。また、池上線も同様の短編成・高頻度・各駅停車という形での運行が行われている。

 そんな池上線・東急多摩川線の拠点となっている蒲田駅には、東急ももちろん商業施設を構えている。「東急プラザ蒲田」である。駅に直結している部分には1階と地下に高級食料品コーナーがあり、ガード下の道をはさんだ部分には東急ストアの食料品売場がある。

 そんな蒲田駅の乗車人員は、池上線は3万4000人程度、多摩川線は4万3000人程度で推移している。多少の上下はあるものの、長年変わらない。

 東急線の蒲田駅は、乗車して都心に向かう駅ではなく、沿線の住宅街の駅からやってきて、蒲田で下車しJRに乗りかえ、都心に向かうという利用のされ方が多いのだろう。

 JR東日本の蒲田駅と東急の蒲田駅は、隣り合っており、実質的に1つの駅といってよい。

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