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» 2016年11月28日 07時15分 UPDATE

池田直渡「週刊モータージャーナル」:トヨタが送り出したTNGA第2弾 C-HRの実力とは? (4/4)

[池田直渡,ITmedia]
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大人のクルマになっているか?

 さて、最後にデザインについて。C-HRの基本シェイプはタイヤの外径と上屋の高さの比率をベースに作られている。つまり、ボディに対して大きなタイヤで踏ん張っている形を作ろうとしており、だからこそフェンダーを目立たせる造形になっている。そのためにドア面はボリューム感を押さえて緊密な面を作ろうとしている。これは「たくましさ」と「スピード感」というキーワードを形にしたもので、そういう基本造形はトヨタのデザイナーの言う通り、現在のSUVらしい形である。

縦に3段ある横長の穴に加え、左右に各2つ。合計5つもの穴。ライトとバンパーの下にさらに2つの段を設け、3段重ねになった塊。そのそれぞれが別の面と線を持つので極めて煩雑だ 縦に3段ある横長の穴に加え、左右に各2つ。合計5つもの穴。ライトとバンパーの下にさらに2つの段を設け、3段重ねになった塊。そのそれぞれが別の面と線を持つので極めて煩雑だ

 しかしながら、特に前後についていくら何でも線の要素が多すぎて煩雑である。トヨタがC-HRのためにもう1つ掲げるキーワードが「大人っぽさ」というならば、こんなに手数の多いデザインはどうなのだろうか? トヨタブランドのアイデンティティである鼻先の尖った「キーンルック」が、構造体として水平ラインで構成されているクルマの形状に対して要素を煩雑にさせる傾向があるのだと思うが、それにしてももう少しは削ぎ落とすことができたのではないか?

エクステリアに比べてぐっと大人っぽいインテリアデザイン エクステリアに比べてぐっと大人っぽいインテリアデザイン

 C-HRというクルマは、トヨタのモノ作りの中でTNGAの確実な前進を証明した。トップダウンとボトムアップのブレンドなどは見事だと思う。そういう経営とモノ作りの改善が、お題目だけでなく、製品の改善にも結び付いている。走りの向上は明らかにそうだろう。「もっといいクルマづくり」で強く打ち出されていた「カッコ良い」に関しては、鋭意努力中であり、変えようという意気込みは感じるが、まだまだ頑張る必要がありそうに思う。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

 →メールマガジン「モータージャーナル」


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