支持率4% フランス大統領も不人気のワケ世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

» 2016年12月01日 07時35分 公開
[山田敏弘ITmedia]

オランドの支持率は悲惨な状態

 フランスからは、朴大統領が巻き起こした国家の根幹を揺るがすような大々的なスキャンダルは聞こえてこないが、一体なぜオランド大統領は朴大統領と同じような状況にあるのか。

 フランスのル・モンド紙は10月、オランドの支持率が4%に落ち込んでいるという衝撃の調査結果を発表した。2016年10月14-19日にかけて1万7000人を対象に行われたこの世論調査では、回答者のうち、たったの1%がオランドの仕事ぶりに大変満足していると回答し、3%がオランドを支持すると答えた。

 この4%という数字は、1848年にフランスで初めて大統領が誕生して以降、史上最低の記録だという。

 ただ別の調査ではこの数字は少し変化する。例えばフランスの世論調査会社BVAによる調査では、オランドの支持率は26%だ。ただこの数字ですら、同調査会社が過去32年に行った大統領支持率の調査で過去最低の数字だという。ちなみに経済危機に見舞われたニコラ・サルコジ前大統領でも最低は30%だった。

 また別の調査でも、オランドは9月に史上最低の支持率を記録していた。8月の17%から9月には15%に落ち込んでいた。

 とにかく、オランドの支持率が悲惨な状態にあるのは間違いない。

 2012年の就任時、オランドの支持率は63%もあった。支持率の推移を見ると、2012年から急速に支持率は低下し、2013年の時点ですでに歴代大統領の史上最低支持率である26%を記録、当時、「近代フランス史上もっとも不人気な大統領」との汚名を受けた。

 2015年1月に風刺週刊誌を発行しているシャルリ・エブドがテロリストに襲撃されたテロ事件直後、オランドの支持率は一時的に40%を超えた。だがそこからすぐに下降して低空飛行を続けていたが、2015年11月に130人の死者を出したパリ同時多発テロの対応でまた一時的に50%近くに跳ね上がった。その後、再び支持率は落ち、現在に至っている。

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