実は驚きの4%を記録する直前、朴大統領ほどのインパクトはないが、国民がオランドに対してこれまで以上に不信感を抱くきっかけとなる騒ぎがあった。オランドが全面的に協力した書籍が10月12日にフランスで出版され、大変な物議を醸したのである。
ル・モンド紙のジャーナリスト2人が連名で上梓した書籍は『President Shouldn't Say That(大統領がそれを言ったらダメでしょう):Secrets of Five Years in Office(大統領5年間の秘密)』というタイトルで672ページに及ぶ大作だ。2人のジャーナリストは過去4年で61回にわたってオランドに独占インタビューを行い、それを本にまとめた。
その内容は、失言や暴言の連続で、トンデモ本として衝撃的なものだと評されている。例えばオランドはフランスの司法制度を「卑怯な組織」と述べ、貧困者を「歯なし」と呼び、パートナーの女優ガイエが「ファーストレディになりたがっている」と語り、大統領府で孤独を感じて自分自身を「亡霊」のように感じていると話している。議会の議長や大臣を軽視する発言をしたり、サッカーのフランス代表チームの選手についても「育ちの悪いガキたち」が突然超金持ちになったとし、「脳みそのウェイトトレーニングが必要だ」と言い放ったと報じられている。
またイスラム教徒についても、「イスラムと問題がある理由は、イスラムが(お祈りの)場所と承認を要求しているからだ」と発言し、物議になっている。さらに移民についてはこう発言している。「フランスに来るべきではないような、到着する移民の数が多すぎる……フランス語を話すよう教えると、今度はまた別のグループが到着する……そしてすべてイチから繰り返しだ。終わりがない……どこかのタイミングで終わりにしなければいけない」
発言まで、まるで人種差別主義者と呼ばれるトランプ次期米大統領のようである。
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