「望みを捨てぬ者だけに」 真田丸と管理職不利なときこそ次の一手を(1/2 ページ)

» 2017年01月05日 07時28分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:

増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。


 久々に年間通じて高視聴率を維持したNHK大河ドラマ『真田丸』では、主人公である真田幸村が圧倒的に不利な豊臣方を率いて奮戦し、最期を迎えました。戦力的には勝負にならない戦いでも諦めない姿勢を象徴する「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」という言葉が、ドラマを通じて繰り返され、これまた視聴者の共感を呼んだといわれます。しかし真田幸村は「望みを捨てぬ」だけだったのでしょうか?

1.バッドエンドという宿命

 昔の大河ドラマが大好きな私は、古くは「風と雲と虹と」や「花神」「獅子の時代」などさまざまなドラマをせりふを暗記するほど見まくりました。正確には大河ドラマではなくNHK新大型時代劇として放映されたのですが、「真田太平記」は面白すぎて終わるのが嫌になるほど熱中しました。(なので信繁より左衛門佐がしっくりくる)

 しかし歴史ドラマの結末は常にネタバレしています。大坂夏の陣がどうなったかは小学生でも分かる史実。真田丸でもどれだけ主人公・幸村が活躍したところで、歴史を変えることはできません。決まっている結末にもかかわらず、幸村は「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」という、真田一族のメッセージを掲げて最期まで戦い抜きます。その姿勢が共感を呼んだのだと感じます。

 圧倒的軍事力で徳川軍に包囲された大阪城が、何をどうやったところで勝つというエンディングは考えられません。そんな中で幸村は常にポジティブな思考を持っただけでなく、不利な中でもでき得る最善手を次々と打っていきます。これこそが幸村の指揮官としての最大の力ではないかと思います。

真田幸村は「望みを捨てぬ」だけだったのか……(写真と本文は関係ありません)
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