清涼飲料市場、成長 夏場の猛暑で需要増富士経済が発表

» 2017年01月24日 19時04分 公開
[ITmedia]

 富士経済が1月24日に発表した調査結果によると、2016年の清涼飲料市場は5兆1155億円(前年比1.6%増)。最需要期となる夏場に猛暑が続き、需要が上向いたという。コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウオーター類が好調だった。

富士経済発表の2016年清涼飲料市場
  • 果実・野菜飲料

 果実飲料は原料価格の高騰が続き、各社の注力度も低くなっているため、市場は縮小。野菜系飲料は、「カゴメ トマトジュース」など、機能性表示食品や、栄養面を訴求した商品が好調で、回復に向かっている。

  • 炭酸飲料

 自販機の減少、炭酸入りミネラルウオーターとの競合、ユーザーの健康志向などから、市場は前年割れが続いている。無糖タイプは成長中。

  • 乳性飲料

 ドリンクヨーグルトや乳性品乳酸菌飲料は、機能性特化の商品を中心に好調。ただし、飲用牛乳や乳飲料は、長期的な乳原料の需給逼迫(ひっぱく)・価格高騰の影響で縮小しており、市場は横ばい推移に。

  • コーヒー飲料

 コーヒー飲用者数と飲用量の増加が追い風になり、ボトル缶を中心に缶コーヒーが伸長。リキッドコーヒーも新規ユーザーを取り込み、16年、17年ともにプラス成長が予想される。

  • 茶系飲料

 茶系飲料は、キリンビバレッジとダイドードリンコの自販機相互販売契約により、大幅に伸長。しかし全体的には売場が縮小し、前年比マイナスが続く見込み。日本茶は、リニューアルした「生茶」のヒットや「綾鷹」の成長維持が市場全体をけん引し、プラス推移を予想している。

  • ミネラルウオーター類

 フレーバーウオーターが引き続き伸長。プレーンタイプも、猛暑の追い風や有糖飲料からの切り替え需要を受けて伸びている。16年、17年ともに拡大が続く見込み。

  • 機能性飲料

 エナジードリンクなどの食系ドリンクの伸びが失速し、機能性清涼飲料も減少している。一方、パウチゼリー飲料は急伸長しており、16年以降の市場は微増していく予想。

 17年は、15年4月から始まった「機能性表示食品」の許可を受けた機能性訴求の商品、健康志向から支持が増えた無糖飲料、「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」「い・ろ・は・す」がヒットしているフレーバーウオーターなどが伸長すると見られる。ただし、天候によって好調だった16年の反動もあり、17年の増加幅は縮小し、1兆1371億円になる見込みだという。

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