日本各地で気温30℃超えが続いている。冷た〜い清涼飲料水の需要が高まる季節がやって来た。近年は「甘くて飲みやすい」以外にも、深刻化する熱中症に対応するために、「塩入り」をアピールするドリンクも増えてきている。
そんな中で好調なのがキリンビバレッジの「キリン 世界のKitchenから」シリーズ。2007年からスタートした、世界の家庭で飲まれているドリンクをテーマにした飲料ブランドだ。
ラインアップは通算で20種類以上。16年夏は3つの新商品を掲げ、夏需要獲得を目指す。シリーズ内でも根強い人気を誇るのは、11年に発売された「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」だ。
ソルティライチは、ライチと沖縄海塩を組み合わせ、「おいしく塩分と水分を補給し、熱中症対策ができる」をアピールするドリンク。11年の発売から15年末までで、2053万3604箱を売り上げている。
流通経済研究所のPOSデータ分析サービス「NPI CLOUD」によると、15年の7月〜8月の果実飲料の売り上げで1位を取得。中身やパッケージをリニューアルを重ねながら、「夏の定番」になりつつある。
そんなソルティライチに、4月19日に5倍濃縮タイプ「キリン 世界のKitchenから お家で作ろう!ソルティライチ」が発売した。“お家で”とあるように、出先よりも家庭で飲む用の500ミリリットルの紙パック商品(価格は税別460円)だ。
5倍濃縮タイプの発売後、消費者が「独自のドリンクレシピ」をSNSに投稿するように。Twitterのツイートの中には、3万リツイート以上されている“人気レシピ”も――というように、新たなソルティライチ需要が生まれている。
「世界のKitchenから」シリーズで濃縮タイプが出るのは初めて。なぜこのような展開がされることになったのだろうか。濃縮タイプの要望が多く集まったのか……と予想するところだが、実はそうではないのだという。キリンビバレッジの担当者は、「好みの多様化」を理由に挙げる。
もっと甘いほうがいい、もっとすっきりしていたほうがいい、このドリンクと合わせた商品を出してほしい……など、消費者の好み全てに対応することは難しい。
「ご自身の好みに合わせて濃さを調整できるようになれば、もっとみなさんの生活に寄り添えると思うようになった。ゆくゆくは、1人で楽しむ飲み物から、家族で楽しめるものになってほしい」(担当者)
そうした思いから生まれた濃縮タイプ。発売されて2カ月が経過したが、消費者からの反応は良好だ。SNSでの投稿はキリンビバレッジの担当者も目にし、喜びの声を上げる。
「炭酸で割ったり、デザートの材料にしたり、私たちの想像を超えるような楽しみ方がたくさんあって、SNSなどで拝見してわくわくしている。特に、紅茶と炭酸で割るというのは、想像もしていなかったレシピだったので、早速試してみようと思っている」
好調は数字にも表れている。詳細は非公開だが、データ上では、既存の濃縮タイプの市場やソルティライチ(ストレートタイプ)の販売規模を落とさず、上乗せする形で推移しているのだという。
「『おいしさはもちろん、からだにもやさしい』、そして『自分らしく無限にアレンジできる』濃縮タイプとして、新しい需要に応えられているのではないか」
キリンビバレッジの商品Webページにも多数のレシピが掲載されているので、“ソルティライチビギナー”でも安心だ。シリーズ他商品でも、商品のコンセプトと『濃縮』という形態が合う場合には、濃縮タイプの発売の可能性はあるのだそう。あなたの好きな「世界のKitchenから」シリーズを、家庭で楽しめる日は近いかもしれない。
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