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» 2017年02月09日 06時30分 公開

延伸プロジェクトの裏側:北陸新幹線で見せたJR東日本のチャレンジ (2/2)

[伏見学,ITmedia]
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 では、どうやってシステムに機能追加していったのだろうか。

JR東日本 鉄道事業本部 電気ネットワーク部 課長で、COSMOS技術管理・開発プロジェクトのグループリーダーを務める恩田義行氏 JR東日本 鉄道事業本部 電気ネットワーク部 課長で、COSMOS技術管理・開発プロジェクトのグループリーダーを務める恩田義行氏

 実はJR東日本およびJR西日本の駅には日立製作所の自律分散システムが設置されているため、ある駅のシステムをCOSMOSのメインシステムから切り離しても、そのほかの個々のシステムが補いながら全体を問題なく動かすことができるのである。従って、駅部ごとにテスト検証しながら、機能改修を行うことが可能であった。「中央にあるメインシステムが一括で制御するものだったら、どうしてもシステムを止めないといけません。日立の自律分散システムのおかげで既存システムを本番稼働させながら改良できました」と恩田氏は振り返る。

 3つ目がシステムの運用体制だ。通常、2社が共同で運行管理を行う場合、それぞれの指令所にメインシステムを設置しがちだが、今回はメインシステムを1本化して、JR東日本側に置くことにした。このように“縦割り組織”の発想を持ち込まなかったことが、スムーズなシステム導入、シンプルな運用を可能にした。

 こうした成果の表れが、2016年3月に開業した北海道新幹線のプロジェクトだ。北海道新幹線は東北新幹線と接続して相互直通運転を実施するため、JR東日本とJR北海道が共同で運営する形となった。JR東日本は先行して進めていた北陸新幹線での経験を持ちこむことができたため、プロジェクト完遂までの期間を大幅に短縮することが可能となった。

 今後ますます移動の高速化、移動手段の多様化が進んでいくのは自明の理だ。そうした時流の中で新幹線には今まで通り安心・安全を担保しつつも、さらなる効率的な運行によるスピードアップが、顧客の満足度を高める鍵になるかもしれない。そのためにCOSMOSのような運行管理システムに求められる役割がいっそう大きくなることは間違いないだろう。

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