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» 2017年04月07日 08時10分 UPDATE

宇宙ビジネスの新潮流:マスクとベゾス、二大巨頭が挑む宇宙アクセス革命 (3/4)

[石田真康(A.T. カーニー),ITmedia]

2018年には商用宇宙旅行を

 これまでBlue Originが開発を進めてきたのが高度100キロメートルまでの宇宙旅行のための垂直離着陸式ロケット「New Shepard(ニューシェパード)」だ。SpaceXの大型ロケットFalcon9とはサイズが異なるが、こちらも再利用を想定している。そして、衛星はやらないと公言するベゾス氏が考えるNew Shepardのキラーアプリケーションが宇宙旅行だ。

ロケットサイズの比較(出典:Blue Origin) ロケットサイズの比較(出典:Blue Origin

 3月29日にはNew Shepardに搭載される有人宇宙船の中身を公開、そのグラスエリアの大きさが話題を呼んだ。今年の終わりには有人テストフライトが計画されており、2018年には初の商用フライトを予定する。商用したあかつきには高度58マイル(約92km)までの弾道宇宙飛行が計画されている。

大型ロケット「New Glenn」の開発

 他方で、近年注目を集めているのがBE-4エンジンと大型ロケットNew Glennの開発だ。New Glennは最大3段式で全長95メートルの超大型ロケットであり(SpaceXが開発中のFalcon Heavyよりも大型)、商業通信衛星の打ち上げや有人宇宙飛行が目的とされている。この大型ロケットの第1弾ブースターになるのが7機のBE-4エンジンだ。

 2011年から開発が進んでいるBE-4エンジンだが、同エンジンも再利用がキーワードだ。

先日カンファレンスに登壇したベゾス氏は「100回の再利用を想定してデザインがされている」と語った。また同エンジンは自社のNew Glennに搭載されるだけでなく、米United Launch Allianceが開発中の次世代ロケット「Vulcan」への提供も2014年時点で合意されている。

 開発と同時並行で顧客開拓も進んでいる。3月7日には衛星通信大手欧Eutelsatと 2021年または2022年の打ち上げ合意を発表した。さらに翌日にはソフトバンクも出資を決めた衛星インターネットベンチャーの米OneWebが5回の打ち上げを予約したと発表した。打ち上げる衛星機数は公開されていないが、OneWeb全体では第1世代として882機、第2世代として2000機の衛星打ち上げを計画している。

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