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» 2017年04月28日 10時49分 公開

「merci box」活用されるワケ:男性育休取得率92.1% メルカリ人事制度のカギは? (2/2)

[溝田萌里,ITmedia]
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 メルカリは、「Webサイトを作るときと同じように、試してだめならやめる」という姿勢を保ちつつ、アンケートなどをとって社員の声を拾っている。

 例えば、4月に「認可外保育園制度」が加わる前段階で、社内保育園を作ろうという案が出たがボツ案となった。社内保育園を設けるにあたっては、土地の広さや保育士の数などの規制が厳しいことに加え、「通勤ラッシュ時間にオフィスがある六本木まで子どもを連れていきたくない」という社員の意見を考慮した結果だ。

 また、制度を決める際に、「フリーライドできる制度では意味がない」という基本姿勢を持っている。メルカリでは以前、社員が朝早くに出勤することを促すために「朝に朝食フルーツを出す」という制度を設けたが、うまく機能せずに廃止したことがあった。ランチの支給や家賃の補助といった制度は、社員の行動を制限する恐れもあるため、意図的に行っていないという。

 「社員が補助だけ使って、制度自体が機能しないと意味がありません。制度を作る際には、そうならないような設計をしていますし、うまくいかないのであれば、中止すればよい。試行錯誤をしています」

フラットな社風だからこそ

 merci boxを制度化した16年は、事業拡大のために社員数が急激に増えた年だった。現在も月10人というペースで増加中。社員やアルバイトなど合わせて全拠点で450人ほどだが、まだまだ人員を増やす予定だ。

 「merci boxを作る以前からメルカリは社員の働き方に対して理解があり、社員同士がフラットに交流をもつ風土がありました」

 しかし急拡大していけば、社風や環境は変わってしまうのではないだろうか。そうした危惧は内部でもあり、社内交流のための積極的な施策を展開しているという。

 例えば、merci boxとして制度化されていないものでも、社員同士の交流会や、「シャッフルランチ」という社員をランダムに組み合わせたグループでランチに行く機会を月に一度設けたり、新しく入ってきた社員とのランチは「メンターランチ」として会社が負担していたりと、さまざまだ。

 「ランチを会社が負担する取り組みは社外にもよく知られていて、『メルカリの社員です』と言うと、上限金額分までのメニューを作ってくれる近隣の飲食店もあるほどです。これは通称『メルカリ丼』という名前がついています」

急拡大するメルカリ。社員間の交流が生まれるように、壁には入社月とともに写真や名前が掲示されている

 フラットな環境は、迅速な意思決定にもつながる。人数が多くなっても承認フローは極力少ないままにし、社内での意思決定もSlackなどのチャットツールを利用しているという。

 4月中旬、同社の運営するフリマアプリにおいて、現金が額面以上の価格で取引出品されていたことが話題となった。22日には「現金出品禁止」と対応し、現在も不適切な出品に都度対策を講じている。フラットな会社風土だからこそのスピード感かもしれない。

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