中古市場は家具の分野でも広がりつつある。経営権をめぐるお家騒動から経営不振に陥った大塚家具と、ライバルのニトリとの争いが中古家具の分野で加熱しているのだ。
大塚家具は経営方針をめぐって創業家で内紛が発生。創業者の大塚勝久氏が会社を去り、娘の久美子氏が社長に就任した。久美子氏は低価格帯の家具にも間口を広げる新戦略を打ち出したものの、これがうまくいかず赤字に転落。起死回生策として打ち出したのが、中古家具の拡充である。
17年4月に旗艦店である「新宿ショールーム」に中古専門店を開店するとともに、中古マンション販売を手掛けるスター・マイカと提携し、高級中古家具付きの住宅販売にも乗り出す方針だ。
大塚家具の大塚久美子社長
一方、ニトリは、中古住宅販売カチタスの株式の一部を約233億円で取得。カチタスの住宅とニトリの家具をセットにして販売するプランを検討している。
諸外国では家具付きで住宅を販売したり賃貸するケースがよく見られるほか、家具は購入せずにリースで利用する形態も多い。日本では新品に対する「信仰」が根強かったが、フリマの台頭で若い世代を中心に中古に対する苦手意識は薄れつつある。
大塚家具はもともと中〜高級家具を得意としており、低価格帯を中心としたニトリとは競合関係ではなかったが、間口を広げる戦略に転換したことで、顧客の一部はニトリと重複するようになった。
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