サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか水曜インタビュー劇場(すみません公演)(5/5 ページ)

» 2017年06月07日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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領収書を求めない

土肥: 切腹最中を購入したサラリーマンを観察していると、ある行動に気付きました。店の外を出て、サラリーマンは何をするのかというと、すぐにスマートフォンを取り出す。そして、地図アプリを立ち上げる。謝罪に行く会社にどうやっていけばいいのか、調べているのではないでしょうか。

渡辺: かもしれません。店は午前9時にオープンしているのですが、開店前に並んでいるサラリーマンもいます。おそらく、朝イチで謝罪に行くのではないでしょうか。話はちょっと変わりますが、仕事で手土産を買う人って、領収書を求めるケースが多いですよね。

土肥: はい。

渡辺: ただ、真剣に謝ろうとしている人は、領収書を求めないんですよ。どんな失敗をしたのかは分かりません。しかし、必死さや悲壮感のようなものが漂ってくる。そうした人を目の前にすると、声はかけませんが、心の中で「がんばってください」と言って手を合わせるようにしています。こちらは最中を提供することくらいしかできませんが、少しでもお役に立てればと。

土肥: ちなみに、私はサラリーマン人生を20年ほど送っていますが、まだ切腹最中を購入したことがありません。できれば、これからも買わずに終えたい。

渡辺: いえ、お待ち申し上げます(笑)。

(終わり)

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